「行きやすい」ところを選ぶことが大切

「いい医療機関」選びに誰でもあてはまる客観的な条件はありません。あなたが行きやすくて相談しやすいところがあなたにとって最適な医療機関です。

医療機関の選び方については、人によってさまざまな考え方があると思いますが、私としては、行く前にあまりむずかしく考えるよりも、まず相談に行ってみたほうがいいと思います。

1度かかった医療機関に必ず通い続けなければいけないというわけでさはありません。何度も受診先を変えることは避けてほしいのですが、最初に行った医療機関がなんらかの理由で自分に合わないと思ったときに、別の医療機関を受診してみるのは、まったくさしつかえありません。

あなたにとって「行きやすい」「通いやすい」医療機関がいいだろうと思います。こういってしまうとあまりにシンプルであたりまえのようなやに聞こえるかもしれません。けれども、うつ状態に悩んで病院や医院を訪ねると、それなりの相談や説明を受けたうえで、たとえば「しばらく週に1回通ってください」「まずこの薬を飲んでみて、経過を見ましょう」というようななりゆきになることが多いと思います。

治療期間もけっこうかかることがあります。数ヶ月でよくなる人もいますが、人によっては、1年、2年、3年とかかる場合もあります。そうなってみると、通いやすさが重要な条件だとわかります。

1週間のなかのどの日、どの時間に行くか、ということもあります。仕事を持っている人ならば、平日の勤め帰りの時間帯か土曜日ということになりますから、そういう時間に受け付けてくれるところがひとつの条件になります。

場所は、自宅の近くだけでなく、会社の近くや通勤ルート上のどこかのほうが便利なこともあるでしょう。大きな病院と小規模なクリニックなどではどちらがよいかと聞かれることもありますが、これもその人しだいです。うつ病と同時に身体面でも心配なことがあるような場合は、多くの診療科がある総合病院のほうが便利かもしれません。

小規模な医院、診療所、クリニックなどでは、経験を積んだ専門医にじっくりと話を聞いてもらえるところも多く、また、夜遅めの時間帯や土曜日も開業しているところがあるのも利点のひとつです。

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