セロトニン濃度を高めるSSRI

SSRIは、三環系抗うつ薬のような副作用を抑えた比較的新しい抗うつ薬です。吐き気や下痢などの副作用もふつうは1~2週間で消えます。

三環系抗うつ薬は、セロトニン系とノルアドレナリン系の脳神経に働きかけるのと同時に、ほかの神経系にも作用するために、種々の副作用がみられました。

これに対してSSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬) は、セロトニン系の脳神経だけに作用して、脳神経と脳神経の間のセロトニン濃度を高めて、うつ症状を改善しようとする薬です。

ですから、三環系抗うつ薬でみられるような、口の渇き、便秘、体がだるい、眠気などの副作用が出にくく、安全性も高いといわれています。

欧米では1980年代から使われ始め、現在は、フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)、パロキセチン(パキシル)、フルオキセチンン(ブロザック)、サートラリン(ゾロフト)、シタロブラム(セレクサ)、などのSSRIが使用されています。

基本的な薬の作用は同じですが、働き方には少しずつ違いがあるようです。日本でも最近、フルボキサミン( ルポツクス、デブロメール) とバロキセテン(パキシル) が使用できるようになりました。

うつ病のほかに、パニック障害、強迫性障害、全般性不安障害、社会不安障害、摂食障害、衝動性コントロールの障害、アルコール依存症なども、セロトニン系の脳神経の働きが関係していると考えられていることから、SSRIは、これらの精神的な問題にも効果があるといわれています。

SSRIの副作用としてとくによくあるのは、吐き気、下痢などの胃腸症状です。吐き気が強くて実際に吐いてしまう人もいます。飲み始めの時期に不安やイライラ感などが現れることもあります。いずれも1~2週間で軽くなっていくのがふつうですが、症状が強いときには医師に相談してください。

不眠や頭痛がみられることもあります。このほかにも、性機能への影響が出て、快感が感じられない、男性なは、射精が遅くなる、などの症状がみられることがあります。ちょっといいにくいという人も多いかもしれませんが、だいじなことですから、そのような症状に気がついたら、早めに医師に相談するようにしてください。

うつ病に合併しやすい精神症状

うつ病の人では、突然動悸や過呼吸が起きて不安になるパニック障害や、小さなことが気になってしかたがなかったり、何度も同じことを繰り返してやめられなかったりする強迫性障害などの不安障害、アルコール依存症などの症状をいっしょに起こしている人がよくみられます。

精神的な不調では、原因や病名を決めることが重要なのではなく、いま起きている症状をなるべくはっきりさせて、対処していくことがだいじです。精神科の専門医なら、これらの症状にもきちんと対応できますから、なんでも相談してみるようにしてください。