入院も考える

状況によっては選択肢のひとつとして入院も考えてみてください。ちょっと環境を変えるためのひとつの手段です。

うつ病で入院というと、なにかとても大ごとのように感じる人もいるかもしれませんが、そう難しく考える必要はありません。

たとえば、医師から見るとだいぶきびしいうつ状態のサラリーマンに、しばらく会社を休んで自宅療養をするようにすすめた場合に、同僚に迷わく惑がかかるとか、そんなに長く休むわけにはいかないなどという理由で、なつとくなかなか納得してもらえないことがあります。

そんなとき、「では、1週間ほど入院してみてはどうでしょうか」と提案してみると、意外とすんなり同意を得られることがあります。一般的には、入院が必要と考えられるのは、まず症状が相当重いいときです。

薬をまったく飲まないとか、自分を傷つけるようなおそれがあるとか、l週間にl回というペースで外来でみていても症状の変化が激しくて、次の診療までの期間が心配だというようなケースもこれにあたります。

外来診療だけでは十分な治療効果が見込めないときにも、入院を考えきます。薬がほとんど効かないとか、時間をかけて診断をやり直したいとか、だんだん話を聞いているうちに、検討したい問題がいろいろと出てきすぎて、外来では話しきれないというようなときにも、入院をすすめることがあります。

抗うつ薬の点滴や電気けいれん療法など、入院することによって可能になる治療法もあります。また、家庭環境に問題があるなど、いったん環境を変えたうえで、じっくり問題解決に取り組んだほうがよさそうだと判断できる場合にも、入院を考えることがあります。

特定の考えにとらわれて、それが生活上の支障になっていたり、朝起きられないことから生活リズムが乱れ、昼夜が逆転ぎみになっているようなケースでも、環境の一時的な変更が有効に働くことがあります。

うつ病という病気は、治療にもなかなか時間がかかりますし、その間に本人にとっても、まわりで見守る人たちにとっても、いろんな問題が出てくることもあります。そんなときのために、入院についても、ちょっと環境を変えるために活用できる手段のひとつ、というくらいにとらえておくとよいのではないでしょうか。