症状が改善しても薬は続ける

症状が消えても自分の判断で薬をやめないようにします。慢性化や再発が沖約なります。医師とよく相談して薬の飲み方を決定してください。

だいぶ気分がよくなってきたからと、抗うつ薬を飲むのをやめてしまぅ人がいます。まわりのだれかに「もうよさそうだから、薬を飲むのはやめなさい」といわれて、薬を中止してしまう人もいます。

なんにせよ、自分たちだけの考えで薬をやめてしまうことはせずに、必ず医師に相談してほしいと思います。自己判断で薬を中止したり、飲んだり飲まなかったり、量を減らしりすると、かえつてうつ病が慢性化しやすくなります。

また、薬を急に中止したり減量したりすると、離脱症状(リバウンド) といって、不安による焦燥感、気分の動揺、眠れない、めまい、筋肉痛、下痢や吐き気、知力覚異常などの症状が、2週間以内に現れることがあります。薬をやめるふせときには、こういった離脱症状を防ぐために、医師と相談しながら慎重に薬を減らしていく必要があります。

抗うつ薬による治療は、3つの段階を追って行われます。まず、症状が続いている「急性期」には、薬の効果と副作用をみながら、徐々ふに抗うつ薬の量を増やしていきます。

そして、、症状が消え、気分が安定して「維持期」の量のままで薬を飲み続けます。その後の薬の最大限の効果が得らに入ってきたら、そのと「予防期」では、最終的に再発を予防するための治療を行います。

維持期に入り症状が安定しても、脳神経の働きのアンバランスはまだ続いていますから、原則として半年から1年は同じ量の薬を飲み続けることがたいせつです。

うつ病は、慢性化しやすく、再発しやすい病気です。慢性化や再発を防ぐためには、抗うつ薬をそれだけの期間飲み続けることが有効であるというのが、現在の多くの精神科医の考え方です。

私はこれを、体にケガをしたときのようなものだと説明しています。ケガをして、しばらくたって痛みは感じなくなっても、傷口はまだ残っています。そこをなにかにぶつけたり、強くこすったりすると、またひどく痛んだり、傷口が開いたり、出血したりしてしまいます。

痛みは消えても、傷口がきれいにふさがるまでは用心が必要です。抗うつ薬を飲み続けることには、傷口が完全に治るまで、そこをきちんと保護し続けるという意味があるのです。