効果が出るまでに一定の時間がかかる

抗うつ薬は効くまでにある程度の時間がかかります。途中で分量や種類を変更することもあります。
あせらずにペースを守って飲み続けます。

薬をじょうずに飲み続けるためのポイントをいくつかあげてみます。最初に知っておいてほしいのは、効果が出るまでにはある程度時間がかかるということです。

人にもよりますが、飲み始めてから2~3週間はかかると考えて、医師からいわれた通りの分量と飲み方で、しんぼう強く飲み続けることがたいせつです。効かないじゃないかといって、自分の考えだけで飲むのをやめたり量を減らしたりすると、かえってうつ病が慢性化するおそれがあることがわかっています。

2~3週間で効果が出ないときは、その後1~2ヶ月かけて増量していくこともあり、それでも効果が現れなければ、薬を変更する場合もあります。医師が薬の量を増やしたり、薬を変えたりしても、必ずしもその人の症状が悪化しているわけではありません。薬と人にも相性があるので、その人に合う薬と飲み方を見つけていくことがたいせつなのです。

飲み忘れたり、一時的に薬を飲むのがいやになつてさぼってしまったときにどうしたらよいかというのも、だいじなことです。

結論からいうと、そう気がついた時点で、なるべくもと通りに飲んで、もとのペースに戻してください。たとえば1日1回夕方飲む薬を飲み忘れて、翌日午前中のうちに気がついたときには、すぐ忘れた分を飲んでしまって、またその日の夕方も飲んでください。

どうせ1回忘れたんだから薬なんかもうやめてしまおうというのが、いちばんよくありません。副作用がすごく気になるとか、副作用なのかどうかわからないけれど、体のことでも、精神面でも、気がかりな変化があるときには、どんなことでも遠慮せずに、早めに医師に相談してください。

副作用のことならば、分量の調節などである程度コントロールできることもありますし、そのほかのくふうができることもあります。それ以外の理由でどうしても飲み続けるのがつらいというときも、やはり早く医師のところに相談に来てください。

いろいろな患者さんのケースを経験しているので、アドバイスできることも多いと思います。その人にあった薬と分量がわかれば、必要な期間飲み続けていくということになります。小さなことでも医師とよく相談しながら、薬を飲み続けられる条件を整えていくのが、いちばんだいじなポイントです。

心因性のうつ病と内因性のうつ病

心因性うつ病は、なんらかのできごとやストレスをきっかけとして起きるうつ病で、そういうきっかけなしに純粋に脳神経面の原因から起きるうつ病が内因性うつ病です。

内因性うつ病には薬物療法が向き、心因性うつ病は精神療法が治療の主体になると考えられてきました。けれどもその後の研究で、心因性と内因性のうつ病は明確に区別できないことがわかってきました。

どちらのうつ病でも発症前にはほとんどの人がなんらかのストレスを経験しています。はっきりしたきっかけがある「心因性」のうつ病でも、抗うつ薬は症状の改善に役立ちます。

現在では、そういう原因よりも、症状やきっかけになったストレスにもとづいてうつ病の診断や治療法を決めていくという考え方がとられています。