三環系抗うつ薬は安定した効果があり、現在も広く使われていいる薬です。副作用の種類も多いのですが、医師と相談しながら飲めば心配はありません
三環系抗うつ薬と四環系抗うつ薬は、以前から長く使用されている抗うつ薬です。化学構造上、ベンゼン環が3 つまたは4 つつながった形をしているのでこう呼ばれています。
とくに三環系抗うつ薬は、その安定した効果から、日本では現在でも中心的な抗うつ剤として広く使われています。
代表的な三環系抗うつ薬には、アミトリプチリン(トリブタノール)、イミプラミン(イミドール、トフラニール)、クロミプラミン( アナフラニール)、ノルトリプチリン(ノリトレン) などがあります。
また、四環系抗うつ薬としては、マプロチリン(ルジオミール) などが使われています。私たちの脳の働きは1000億個といわれる非常にたくさんの脳神経どうしがつらなって、情報を伝達し合うことによって成り立っています。
脳神経どうしでは、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質と呼ばれるいくつもの化学物質によって、情報が伝達されています。
うつ病やうつ状態のときには、脳神経と脳神経の問のセロトニンとノルアドレナリンの量が減り、情報伝達がうまくいかなくなると考えられています。
三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬は、セロトニン系とノルアドレナリン系の両方の脳神経に作用して、情報伝達をもとの状態に戻し、うつ症状を改善します。けれども、それ以外の脳神経系統にも作用するために、人によってはさまざまな副作用が現れることがあります。
具体的な副作用としては、口が渇く(口渇)目のかすみ、記憶の障害、眠気、体がだるい、起立性低血圧、不整脈などがあります。
動悸、便秘、排尿困難、太る(体重増加)、めまい、ただし、これらの副作用も、医師の説明と指導をきちんと聞きながら薬を飲めば、心配なものではありません。
薬と人にも相性があり、副作用の現れ方も、人によって大きく違います。たいせつなのは、その人に合った、必要な期間続けられる薬と飲み方を見つけていくことですから、副作用が現れたときや、ほかにも気にえんりょなることがあったら、遠慮せずに医師に相談してください。
神経と榊経の間には、シナプス間隙という狭いすきまがあります。神経の末端をシナプス終末といいますが、ここに情報が伝わると、脳内化学物質がつまった多くの球体( シナプス小胞) から、神経伝達物質がシナプス間隙に放出され、次に情報を伝えるべき神経の表面にある数多くの受容体と結びついて、その神経細胞を興奮させることによって、情報が伝達されていきます。
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