うつ病の治療

実際にうつ病の治療に入ると、抗うつ薬などの薬物療法、カウンセリングによる精神療法、環境調整という3つの方法で治療をすすめます。

実際に医療機関を受診すると、その人が現在因っていることや、どんな症状がいつごろから始まったのかなどについて話していくことになります。

かたくならずに、らくな気持ちで率直に話してほしいと思います。話し合ったうえで、医師が治療をしたほうがよい状態だと判断したら、「あなたはいまこういう状態になつていると考えれられますから、こういう治療をしてみたほうがいいと思います。というように、現在の病状や治療方針などについての説明があるはずです。よくわからないことがあれば、どんなことでも遠慮なく質問してください。

そして、患者さんがこれに納得して、同意をすれば、治療が始まることになります。うつ病の治療は、薬物療法、精神療法、環境調整という3 つの方法によって行われます。

  1. 薬物療法 薬を使ってうつ病のつらい症状をおさえ、やわらげようという治療法です。うつ病は、その人の気分に変調が起こる病気ですが、これは私たちの脳神経の働きと関係しています。薬物療こ、つ法は、この脳神経の働きに作用する抗うつ薬という薬などを使って、うつ症状の改善をはかります。
  2. 精神療法(心理的治療) ウンセリングを通じて、その人の気持ちの持ち方、考え方のパターン、行動や人間関係のとり方などを整理していきます。私たちは大きなストレスを受けると、ありのままの現実が見えにくくなり、問題を解決する力が弱まります。精神療法は、その人のけいげん考え方や気持ちにアプローチして、精神的な苦痛を軽減しょうとする治療法です。
  3. 環境調整(社会的治療) その人の社会的な側面に目を向けます。私たちはいろいろな人間関係や、職場、地域、家族などのなかで生きていたいぐうふてきおうます。たとえば、職場での環境や待遇の不適応や家族の問題などがうついどう病の背景にあることがあります。そういうときには、職場の異動や家族関係の見直しなど、問題となっている環境面への働きかけが有効なことがあります。

これら3 つの治療法を、患者さんの状態に合わせてバランスよく使い分けながら、うつ病の治療を進めていくことになります。

受診時にメモを用意する

はじめて精神科を受診するときには、自分の症状について簡単なメモをつくっておくと、役に立つことがあります。たとえば、いまどんな心身の状態があって因っているのか、いつごろからそういうことが起きているか、最近なにかストレスになるようなことや、仕事や生漬上のトラブルや問題点があるか、などについてです。

書き方は自由ですし、必ずつくらなければいけないということでもありません。ただ、診療はどうしても時間が限られますし、精神的な問題は、自分のことでも思ったように話せないこともあります。事前にメモをつくると、少し気持ちが整理できるかもしれません。 もちろん、つらい気持ちがたいへん強いようなときには、メモを用意するよりも、すぐに精神科医を受診してください。

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