精神的な健康を保ち維持するには柔軟なものの見方、行動の感情コントロール感覚、人間関係がとても重要です。
これは「3つのC]と呼ばれています。
心の健康を守ったり、いったんつらい状態になってしまった心の健康を取り戻すためのキーワードとして、私は「3 つのC」ということばがよく使われます。
それは、Congnition(認知)、Control(コントロール)、Communication(コミュニケーション)の3 つです。
簡単にいえば、ものの見方、受け取り方、考え方です。これらと私たちの感情や気分は、深くかかわりあっています。ものごとをわるいほうにばかり考えたり「ひとつの考え方にこりかたまったりすると、だんだんつらい気持ちが強くなってきます。頭をやわらかくして、幅の広い考え方で現実を見ていくと、落ち着いた気分が保てます。「コントロール感覚」というのは、自分の行動や感情、そして環境をどのようにコントロールしていくかということです。
忙しくても、自分から次々と課題を見つけて取り組んでいるような状態のときは、気ふ持ちも明るく前向きでいられます。
しかし、仕事に追われ、振りまわされてしまうと、気分的にも苦しくなってきます。つまり、自分の持ち味や傾向をよく理解して、仕事や自分の感情に対するコントロール感覚を失わないことも、心の健康にとってたいせつなポイントです。
3つ目の「コミュニケーション」は、自分を取り巻くいろいろな人たちとの関係です。私たちはひとりで生きているわけではありませんし、「自分らしさ」というものも人間関係や環境のなかでつくられていくものです。落ち込んだときでもだれかと話すだけで気分が晴れたり、ひとりで考え込んでいるよりも、人との会話のなかからまったく別の角度のアイデアが出てくるのは、多くの人が経験していることでしょう。
この「3 つのC」という基本的な考え方と、それを応用した認知療法、行動療法、対人関係療法という3 つの方法は、薬物療法なやかんじゃと並んで、うつ症状に悩む患者さんをケアするためのだいじなアプローチです。また、うつ病の治療ということだけではく、私たちが日常的に経験する軽い気分の落ち込みに対しても役立つはずです。
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