具体的な問題解決に向き合う

気持ちが沈んで現実が見えにくくなっているときには「問題解決法」の活用がコントロール感覚を取り戻すために役立ちます。

うつ的な気分にとらわれると、できそうにない困難が次々と頭に浮かんだり、自分をとりまく状況がとてもきびしく感じられたりします。そんなときには、具体的な問題をひとつずつ解決していくことがたいせつで、「行動療法」で使われる問題解決技法が役に立ちます。

そのベースになっているのは、私たちが日ごろ意識せずに使っているプロセスなのですが、気分がつらくなるとそんなこともわからなくなってしまいがちです。

    1. 問題を明確にする

      たとえば主婦ならば「自分は家事がへただ。主婦ばくぜん失格だ」と漠然と思っているのではなく、まず現在の問題点、解決したいことを、実際に紙に書き出して、できるだけ具体的にしてみます。

    2. 解決へのアイデアをたくさん考える

      解決へのアイデアを考えて、書き出します。ここでだいじなのは、現実的ではないとか、ばかばかしいと感じても、思いついたことはすべて、まず書いてみることです。

      たとえば「買い物をもっと効率的にしたい」のならば、「ローラースケートで出かける」とか「車の運転手をやとう」でもいいのです。頭のなかに嵐を起こすという意味で、ブレーンストーミングといわれます。

    3. プラス面とマイナス面を検討する

      アイデアを出し切ったら、それぞれのプラス面とマイナス面を、やはり紙に書き出して検討します。いちばん問題解決に役立ち、実行しやすそうな方法を選びます。そういう方法を使うと新たな問題点が出てこないかというのもひとつのチェックポイントです。なにも欠点のない方法などありませんから、「いちばんましな方法」くらいに考えていくと選びやすいでしょう。

    4. 実行する

      方法を決めたら、とにかく実行してみます。やってみなければ、なにも始まりません。事前に頭のなかで試してみたり(シミュレーション)、できればだれかに相手になってもらって練習したり( ロールプレイング) できれば、なおよいでしょう。

    5. 結果を評価する

      実行してみた結果、うまく問題が解決できたら、自分をしっかりほめて、その方法を続けてみます。解決しきれなかったときには、どこに問題があったのかを振り返って、なるべくはっきりさせてください。そしてまた、このサイクルのどこかに戻ればいいのです。

コントロール感覚を取り戻す問題解決サイクル

1.問題を明確にする

たとえば、仕事の件数が多すぎるので整理する。買い物をもっと効率的にやる。まず英語の宿題を片づける。など

2.解決へのアイデアをたくさん考える

思いついたことをすべて、できるだけたくさんリストアップすることがだいじ。評価は次の段階ですればよい。

3.プラス面とマイナス面を検討する

いちばんプラス面が多く、実行が簡単そうで、新たな問題点が出にくそうなものを選ぶ。

4.実行する

とにかく実行する。できれば事前にシミュレーションやロールプレイングができるとなおよい。

結果を評価する

うまく解決できたら、自分をほめて、その方法を続けてみる。解決しきれなかったときには、どこに問ふ題があったのかを振り返って、もう一度このサイクくルを繰り返す。

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