「いびき」はなぜ就寝中にかく
いびきは本人というよりも、家族が悩む睡眠の大問題。しばしば夫婦げんかの種にもなる。
いびきをかいた人を起こして「うるさいわよ」といっても、本人はまったく自覚がなく、「俺はいびきなんかかいていない」と言い張るのがつねである。起きているときは、ふつうに呼吸しているのに、なぜ眠ったときだけいびきが出しかんるのか。端的にいうと、眠りについたことで筋肉が弛緩するからである。いびきの昔は、軟口蓋がふるえる音である。軟口蓋とは口の天井側のいちばん奥のほうにある組織で、舌で触ってみるとわかるが、奥にいくほど柔らかくなっている。起きているときは軟口蓋の筋肉が緊張して空気の通り道を確保しているから、呼吸のたびにふるえるようなことはない。
眠ると筋肉は緊張を解き、仰向けに寝た場合、柔らかい軟口蓋の組織はぜつこん自然にのどのほうに落ちこんでいく。舌の筋肉もゆるみ、舌根がのどに下がってくる。そのために隙間が極端に狭くなり、呼吸で空気が通るたびに軟口蓋が振動して、いびきの音が発生するのだ。
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