体は試験管ではない! ラクトフェリン は本当に脂肪を減らす

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体は試験管ではない!ラクトフェリンは本当に脂肪を減らす のでしょうか?「●●の働きにより糖分、脂肪分を包み込んで体外へ排泄します」「脂肪の腸吸収を80 %ブロック」...そんなことはあり得ない、と厚労省がたびたび広告や販売を禁じてもどこ吹く風で、「脂肪ブロック」をうたうダイエット食品はあとを絶ちません。

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これらの商品、れっきとした医学博士が監修していることも多く、証拠として「試験管に脂肪分を入れて、製品を加えると脂肪分が固まる」実験結果がよく使われている。

白衣の博士が試験管を手にしているとありがたく見えるが、なんのことはない、「てんぷら油を固める」凝固剤の CM と同じです。

人間の体は試験管ではなく、食べたものはすべて、体の中に入ると胃腸の消化液で分解される。試験管の中で「有効」でも、生体の中でどうなるかは全く分からない。

そこで、マウスやラットなどを使った「実験」の結果もよく付記されるが、これがまたウソだらけ。「ラットの実験で証明! 食事の時に飲めば脂肪分や糖分の吸収を抑えられる」とうたうダイエット食品9点を使って、国立健康・栄養研究所が実際にラットの実験を行ったことがある。

普通のラットと比較して、どの製品も、体重や体脂肪の変化に差はなく、脂質と炭水化物は 9 割以上、腸で吸収されていた。アメリカの肥満治療薬「ゼ二カル」は、脂肪の吸収を助ける酵素リパーゼを抑えて腸の脂肪吸収を30% 抑えるというものです。

胃もたれ、油まみれの便が頻繁に出る、脂溶性のビタミンA・D・E・Kが欠乏しがち、などの副作用が報告されています。脂肪の腸吸収を80% もブロックするサブリが本当にあったら、摂った人は体内バランスが完全に狂って死んでしまうだろう。

脂肪の腸吸収ブロックが難しいなら、内臓にたまった脂肪を減らすのはどうか。ほ乳類の乳、とりわけ初乳にたっぷり含まれる多機能たんぱく質 ラクトフェリン の内臓脂肪の低減効果を確認とうたうのはライオン株式会社。

同社は、胃で分解されず膿まで届くラクトフェリン サプリ を開発。35歳 ~ 60 歳の男女 12 名に 1 日 300 mg 摂らせる「世界初のヒト実験」を行った。食事制限や運動の指導なしで2ヶ月後、「被験者平均で、腹部 CT 断面の内臓脂肪面積 2 % 減、腹囲で 4 %滅の有意な効果を確認」したというのです。

被験者がわずか 12 人で、性別も年齢もバラバラ、食事も運動も自由。このような実験の「平均値」で、「効用の確認」をうたうのはまだ早いのではないでしょうか。

ちなみに、森永乳業は「本来の性質を保持したまま変性しない」 ラクトフェリン を開発。こちらは「ラットの実験によって」大腸がんの予防と、大腸ポリープの抑制に役立つことがわかったという。早く人間でも証明してほしいものです。

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