子供のうつ病は、成人と違った症状で現れることがあります。本人のつらい気持ちに目を向けることから何かが見えてくるかもしれません。
思春期と呼ばれる10代くらいの子どもがうつ病になると、強いイライラ感や反抗的な行動などとなって現れることがあります。
また、引きこもりの背景にうつがある場合もあります。いずれにせよ、表面的な行動だけでなく、どんなつらい気持ちが背後にあってそのような行動にでるのかという点に目を向けていくことがたいせつです。
なにか精神面の不調があるのかもしれないとまわりの人が感じたときには、いろいろな機会やきっかけをとらえて、話を聞いてみてほしいと思います。そのときに知っておいてほしいのは、この年代ではまだ、自分の心のなかで起こっていることを、体験したり、感じたり、表現したりすることが、必ずしもうまくできないことがあるということです。
うつ病ではないか、神経症っぼいのではないかなどという先入かん観を持たずに、本人の話を注意深く聞きながら、その子が育ってふきたプロセスを振り返ってみたりもしながら、いまその子の心でなにが起こっているのか、思いをめぐらせてみてください。
この年代は、親や周囲のおとなに反抗しながら、自立していこうという気持ちが強まる時期でもあります。あまり話したがらなかったり、拒否的な態度をとる子どももいるでしょう。声をかけたり、いまの気持ちを話すようにすすめてもあまりのってこないときには、むりに深追いはしないほうがいいと思います。
心配なので医療機関を受診させたいというときも、やはりむりや押しっけはよくありません。話を聞いたり、日ごろのようすを見守りながら、たとえば眠れないとか、体の不調がなかなかとれないなどの、具体的な気がかりをきっかけに「ちょっと医者に相談に行ってみないか? 」と話してみるようにしてください。
本人に拒否されても、先を急がないでください。自分を傷つけこういるような行為をとらないように、そ」だけは十分に気をつけてようすを見ていけば、本人の気分が変わったり、別の機会やきっかけが見つかることもあるかもしれません。まわりはあまりあせらずに、本人の力を信じて、見守っていってほしいと思います。
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