いろいろな体の症状が現れて、うつ病がその後ろに隠れてしまうこともあります。鉢をかぶったような締め付けられるような頭痛などがよくみられます。
うつ病が気づかれにくい第二の理由として、体の病気のようにみえてしまう、ということがあります。うつ病は身体面の症状が出やすい病気でもあり、痛みやだるさなど、いろいろな症状が現れることがあります。
身体面のことに目をうばわれてしまうと、精神的な問題を見のがしてしまいがちです。このように、うつ症状が身体症状という「仮面」に隠されてしまっている状態を、「仮面うつ病」と呼ぶこともあります。
よくみられるのは頭痛です。鉢をかぶったような感じ、締めつけられるような重い感じ、というのがうつ病による頭痛の特徴といわれ、実際に、患者さんからそういう訴えを聞くことがよくあります。
ほかにも、腰痛や肩こり、背中の痛み、体の節々の痛み、下痢や便秘などの胃腸症状、汗をかく、息苦しいなど、さまざまな症状があります。
寝つけない、早く目が覚める、食欲の低下なども身体症状の一種ですし、疲れやすい、だるい、性欲が減退するというケースもあります。医師にかかって検査をしても、これといった病気が見つからななっとくい。けれども本人はとてもつらいので、納得できずにまた別の医師を訪ねる。ということで、いくつもの医療機関を転々とする人も出てきます。
いつまでも原因がわからなかったり、何人もの医師にかかること自体が、人によってはかなりのストレスになることもあるでしょう。
原因がよくわからない体調不良、身体症状が重なってなかなかおさまらず、これといった体の病気が見つからないようなときには、精神面の問題という可能性も考えてみましょう。
多くの人にとって、精神的な不調というものは、自分でもなかなか認めたくないし、他人にも相談しにくいものです。
そうやっておさえ込まれたものが、身体症状として現れてくるという面もあると思います。ですから、このように原因のわからない体調の不良が長く続くような場合には、精神科や心療内科を訪ねて相談してみる、というのもひとつの方法です。
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