うつ病は気づかれにくい病気でそれにおもに3つの理由があります。うつ病を早く見つけていくためには「なぜ気づかれにくい」なのかに注目してみましょう。
うつ病は「気づかれにくい」病気です。それがこの病気のひとつの大きな特徴であり、本人にも、治療にあたる医師にとっても、やっかいな点でもあります。
気づかれにくい理由の第一は、「気のせい」「気持ちの問題」と思われてしまうということです。気づかれにくいといっても、必ずしもなにも気づいていないわけではありません。
たとえば、なんだか気力がわかない、やる気がしない、ついだらだらしてしまうというようなときには、本人も「調子が出ない」「なんだかだめだ」というような気持ちをなんとなく持っていたりします。
そして、なんとかしなければ、でもできない、自分は怠けている、駄目な人間だと自分を責める、という悪循環になりがちです。まわりの人が気づくこともあります。しかし、アドバイスのつもりでいった、元気がないよ、たるんでるんじゃないの、しっかりしなさい!ということばが、自分を責めているようにとらえられてしまい、自覚がないままにうつ状態を悪化させているということがよくあります。
つまり、気分の沈み込み自体に気づいていなかったり、ぼんやりと気づいていても「気のせいだ」「そのうちなんとかなる」「自分がだらしないんだ」と思うだけで、それが精神的な不調であり、だれかの手助けが必要な状態だという認識と結びつかないのです。
そのような状態の人に、「最近どうですか。なにか変わったことはあたずりませんか? 」と尋ねると、「そういえば、なんとなく自信がなくなったように感じます」という答えがよく返ってきます。
たとえば営業職の人であれば、「交渉ごとで、もうひと押しができずに相手に押し切られてしまう」「なにか自分のしゃべっていることに自信が持てない」などといった返答がみられます。「いまの自分は、以前の自分とどこかが違っている」と感じるようなことがあったら、その気持ちを流してしまわずに、ちょっと立ち止まって、ひと休みして考えてみてください。
なにが違っているのか。自分をそうさせているなにかストレスや問題、仕事や暮らしでの障害はないか、と。ふそういうちょっとした振り返りが、あなたの心の健康を救ってくれるかもしれないのです。
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