糖尿病患者は下半身が冷たい!半身浴で血流がよくなれば 血糖値の改善に役立つ

インスリンの働きが改善する

日本人の入浴好きは、世界的にも有名です。最近では、シャワーだけで済ませる人もふえてきましたが、浴槽につかって体を温めることは、健康面からも大変有意義であることがわかっています。

糖尿病の治療や合併症の予防・進行阻止にも効果があることがわかってきまいた。糖尿病対策というと、食事と運動がクローズアップされますが、実は入浴を利用することも非常に大事です。

日本温泉気候物理医学会の研究データによると、41度のお湯につかると、入浴直後から脈拍数がふえ、10分間つかると深部体温が1度程度上昇します。

すると、基礎代謝(安静時に消費するエネルギー が上がり、一般的には10分問当たり30〜40kcalのエネルギーを消費するといわれます。

血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きがよくなることも、理由の1つでしょう。ですから、私は中・軽度の糖尿病の患者さんには、温泉旅行を勧めています。旅行先でたくさん歩き、開放感にひたり、温泉にゆっくりつかることで、ストレスもへり、血糖値の降下が期待できるのです。

ただし、夕食にごちそうを食べすぎると、元の木阿弥です。また、入浴法にも注意が必要です。恐ろしい話ですが、家庭や温泉での入浴中と入浴直後の死亡を合わせると、年問約1万人に上ります。また、65歳以上の突然死の妬近くが入浴中ともいわれます。正しく安全な入浴法Jが、健康長寿の大きな鍵といえふるでしょう。

心臓に負担をかけずに全身の血流を改善する

糖尿病の改善が期待でき、岡時に、入浴中の事故を防ぐためには、41度以下のお湯に、胸から下だけ湯につける「半身浴」がお勧めです。

まず、首までつかって少し温まったら、わきの下を結んだ線から上を出して、ゆっくりつかりましょう。深めのお湯に首までつかる全身浴では、心臓や肺などの内臓に、大きな圧力がかかります。若く健康な人なら問題ありませんが、高齢者や、血糖値・血圧の高い人にはお勧めできません。

一方、半身浴なら、水圧がほどほどになるため、下半身に停滞しがちな血液が心臓に戻りやすくなります。水圧がポンプの代わりをしてくれるため、心臓に負担をかけず、全身の血流がよくなるわけです。

糖尿病の患者さんは、上半身が温かく潤い半身は冷えて乾燥しやすい傾向にあります。このことからも、半身浴が勧められるのです。

お湯の温度も重要です。入浴する際には、お湯の温度を41度以下に設定してください。42度以上の熱いお湯や温泉に入ると、かえって血糖値が上がってしまいます。これは、血管や内臓を調整する自律神経のうち、心身を活動的にする交感神経が優位になるためです。

血圧の高い人にとっても、熟すぎるお湯は好ましくありません。浴槽に入る前に、必ずかけ湯をしましょう。41度以下のお湯でも、いきなり体をつけるのは刺激が強すぎます。心臓から遠い足先から、少しずつお湯をかけて、体を慣らしましょう。

体に負担が少ないといわれる半身浴でも、糖尿病の人にとっては注意が必要です。前述したように、入浴中は血管が拡張して血圧が下がり、血糖値も下がるため、服用中の薬によっては低血糖になり、おぼれる事故が起こりやすいのです。

75歳以上のかたは、ふろのふたを半分くらいまで閉め、上半身をふたに預けるような体勢で入浴しましょう。こうすることで、万が一、入浴中にふらついても、水面に顔がつく危険を回避できます。

また、飲酒後の入浴は、若い人でも危険です。絶対にやめましょゝつ。もう1つ大事なことは、水分補給です。糖尿病の合併症として、脳梗塞があります。体が脱水状態になると、脳梗塞のリスクが高まります。41度のお湯に10分以上つかると、体からは300 ml以上の水分が失われます。入浴の前後には積極的に水分をとってください。ペットボトルの水を持って、温泉に入ります。糖尿病の改善に役立ち、安全・快適な半身浴を、ぜひお試しください。

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