冷蔵庫のハムが水っぽくなるのは「高加水ハム」

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冷蔵庫に購入してきたハムやソーセージを入れておくと、ハムだけが凍っていたり、水っぽくなっていることがある。
それはある大手メーカーの次の配合列を見ればわかる。

マトン屑肉(18.2 %)、豚頭肉(18 .2%)、冷凍すり身(8.5%)、豚皮ゼラチン(8.6 % )、大豆タンパク(2.8% )、加工馬鈴薯でんぷん(4.7% )、豚脂(9.5%)、氷水(25.4%)、化学調味料(0.3 %)、ビーフ系調味料(0.3%)、砂糖(0.9%)、香辛料類(0.4%)、塩漬剤(2.2%)。

なんともっとも多いのは水なのである。ところが、ハムやソーセージの原材料表示を見ても、「水」などとは、どこにも記載されていない。もちろん、このウインナソーセージも同じである。「水」は原材料に入らないので表示はしないでいいことになっている。ただし、炭酸水の場合は表示しなければいけない。

では、「水」はなんのために利用されるのか。答えは塩漬液(えんせきえき)をハム・ソーセージに注入するため。ハム・ソーセージの製造で塩漬という段階がある。原料肉にソルビン酸(保存料)、食塩、亜硝酸ナトリウム(発色剤)、砂糖、香辛料などの混合液を染み込ませるのである。この混合液(塩漬液)に大量の水が入れられ、数十本から数百本並べた注射器で自動的に原料肉に注入されていくのである。業界関係者によると、水による増量効果もあり、安い製品はど大量の水が注入されているというから、文字通りの「水増し」。

因みに、米国では塩漬液を保存料と表示する。また、EUでは製品の中に占める水の比率が5%を超えると、「水」と表示することが義務付けられている。

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