大豆の用途で圧倒的に多いのが、食用油を絞ること。食用油を絞るのは昔は、圧搾法といってその名のとおり、絞り出していた。しかし、今は、抽出法といって、ノルマルヘキサンなどの化学溶剤を使って抽出する。その方が、99%近く油脂分を抽出でき効率的だから。
油脂分を抽出した後の大豆は、脱脂大豆とか大豆カスと呼ばれているが、若干のタンパク質が残っているため、家畜の飼料に主に利用されていた。しかし、それだけではもったいないということで、脱脂大豆からわずかに残ったタンパク質を抽出して、肉類をつくる技術が開発されたのである。
その方法というのは、まず脱脂大豆に亜硫酸ソーダ水溶液を加え、胡度に加熱してかき混ぜながらPH調整してタンパク質を溶出する。次に亜硫酸ガスを吹込んで、タンパク質を沈澱させる。このタンパク質を再びカセイソーダで溶かして、二ガリ(食塩の製造過程でできる液状の苦物質)の中に細い孔から噴出させると繊維状のたんぱく質が出来る。
さらにに亜硫酸塩や塩化カルシウム、イオン交換剤などの薬品で不純物を処理して、着色剤を添加する。そして味を付けるために、甘味料やグルタミン酸ソーダ、リボ核酸といった化学調味料、食塩、乾燥卵白などを使う。それでもク肉類〞にはならない。肉の匂いがしないからだ。それで最後の仕上げで合成香料のミートフレーバーを使うこうした「肉」がどんな食品につかわれているのかというと、錬り製品、ハム、挽き肉、ベーコン、シューマイ、ギョウザ、ビーフシチュー、コロッケ、ハンバーグ、肉ダンゴ、口- ルキャベツ、オムレツ、コンビーフ、カレーライス、パン、インスタントラーメン(添付スープ)などである。脱脂大豆は、北米などから輸入されており、港に陸揚げされた時点では、飼料用、食品用の区別はされていない。まあ、牛、豚の飼と同じものを人間は食べている。
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