タラコはスケトウダラの卵を塩漬けにしたもので、鮮やかな紅色をしているものはど高級品で旨そうというイメージがある。でも、本物のタラコは淡いピンク色で見た目は美味しそうに映らない。使われている着色料は指定添加物(ほとんど合成添加物)の「赤色102号」と既存添加物(はとんど天然添加物)の「コチニール色素」。
着色料が気になる人は、着色料無添加のタラコを選ぶはずだが、無着色と表示してあるのに見事に鮮やかな紅色のタラコを見かける。着色料を使っているものと比べても鮮やかな色彩は劣らない。そのからくりは発色剤という食品添加物にある。化学物質名は「亜硝酸ナトリウム」で、これを溶かした溶液にタラコを浸すとタラコの赤血球(ヘモグロビン)と化学反応を起こし、タラコはきれいな紅色に変化するのだ。
亜硝酸ナトリウムには、殺菌作用もあるため、ほとんどのメーカーが食中毒防止のために使用しているといっているが、この添加物、食品業界では『魔法の薬』といわれている。
どんな粗悪な魚卵や肉でも若干の赤血球が残っていれば、きれいな紅色に変化させてしまうからだ。間違なのは、亜硝酸ナトリウムが、魚卵や食肉、人間の胃の中にも含まれているアミン類という物質と反応すると、ニトロソ化合物という非常に強い発ガン物質が出来てしまうことだ。
ちなみに亜硝酸ナトリウムはパンの色の黒ずみを防ぐ発色剤としても使われている。
食の安全性にこだわるなら、ぜひ、発色剤無使用のものを選んでほしいものだ。ところで、スケトウダラを塩漬けにしてタラコをつくる場合、卵のうが破れ、切れ子を生ずることがしばしばある。産卵後期の魚など、鮮度が落ちた原料を使用した場合に切れ子はとくに多く発生するという。この切れ子を利用して「ウニ」をつくっていることははとんど知られていない。
つくりかたはこうだ。まず、魚卵を脱水、すりつぶして塊にしてから、マーガリンもしくはショートニングオイルとアルコール、化学調味料を混ぜ合わせ、錬りウニ状にして出来上がりである。魚介類の雌の卵や卵巣はそのまま食べたり、タラコ、スジコ、カズノコ、イクラなどのように塩漬けされたり、あるいは粕付け、調味液漬けなどに加工され食されている。では、並の楕のう(白子)はどう利用されているのかというと、高級珍味のフグの白子やタラのキクコ以外は、まったくの役立たず。
せいぜい飼料や肥料になる程度だった。精のうは精力の源だけあって、核タンパク質を豊富に含んでいるし、美味でもある。しかし、自己分解や酸化が早く、加エ、貯蔵が難しいため利用されなかった。ところが、ある添加物を使うことで、サケやタラなどの白子は立派な食品として利用できるようになり、男の名誉挽回がなったのである。
白子に食塩、アルコール、みりんとともにポリリン酸壇という添加物(安定剤)を混ぜ合わせ、白子ペーストをつくるのがそのやりかただ。こうして白子は役に立ったのだが、ポリリン酸塩は、人間のミネラルの働きを阻害してしまうことが分かっている。とくに、亜鉛の働きを悪くする。この亜鉛は昔から「夜のミネラル」と言われ、男性の精子をつくるのに大変重要な役割を果たすとされる。ク白子ウニ〞を食べて、逆の効果がなければ良いのだが。
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