「スーパーサイズ・ミー」の大ヒットとハンバーガーの中身

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数年前、「「スーパーサイズ・ミー」という映画が世界中で大ヒットした。日本でも公開されたので見られた方も多いと思うが、衝撃的な内容だった。映画の農名「スーパーサイズ・ミー」は日本語で、僕を特大にしようという意味。

監督のモーガン・スパーロック氏(映画公開時34歳)自ら、1ヶ月1日3食、ひたすら大手チェーンのハンバーガーを食べ続けたという、米国のドキュメンタリー映画だ。1日3食、ハンバーガーを食べ続けた結果はどうなったか。医者も太鼓判を押したモーガン・スパーロック氏の健康体は、5日目で4.2キロ増に。1 6 8 だった総コレステロール値も18日目には225に。体は不調をきたし鬱状態にもなるが、ハンバーガーを食べると気分爽快になり、さらに食べたくなっていく。だが、そのうち食べると吐くようになる。医師からは中毒症状と診断され「すぐにハンバーガーを食べるのをやめなさい!」と警告を受ける。

映画では30日間、ハンバーガーを食べ続けた体調変化克明な記録と同時に、現代の子どもたちが置かれている食環境の劣悪さが描かれている。それは学校給食関係者、ファーストフード関係者の証言などで、ユーモラスなタッチで明らかにされていく。映画の影響なのかどうかは分からないが、大手ハンバーガーチェーンでは、ビッグサイズハンバーガーの販売を中止した。

ファーストフードを代表するメニユーのハンバーガーには、「脂質が高すぎる」「原材料が分からない」などの批判が、かねてからあった。そうした潜在的不信感が、この映画の大ヒットにつながったのは明らかだろう。ファーストフードのハンバーガーはパティを焼き、それを調理したパンに挟んで提供する。

パティは、牛肉、豚肉、馬肉、めん羊肉、山羊肉などの横隔膜の切り落としや屑肉を主原料にしている。このほか、コストを下げるために、増量効果を狙って脱脂大豆(大豆カス)を使用する。そして、脱脂大豆と肉類をうまくなじませ、結著させるために、アルギン酸ナトリウム、カゼインといった食品添加物の糊料を添加する。また、肉の赤い色を出すためにペルー産のムラサキトウモロコシ、辛味をつけるパプリカ、畜肉臭を消すためにサイクロデキストリンなどの添加物を使う。おおむね、1個のハンバーガーには調味料なども含めて約70種類の添加剤が使われている。

豚肉の荒びきから作ったパティとレタスなどの野菜をパンに挟んだはんもののハンバーガーと、ファーストフードのハンバーガーが違うことは、ファーストフード店の経営者も認めており、ある大手ファーストフードチェーン店の社長は、NHKのテレビ番組でこう語っていた。「生まれたときから、それだけを食べていたら、20年も経てば、本物のバーガーだと思うのではないでしょうか?」ファーストフードのハンバーガーが日本に初めて上陸したのは1971年。銀座三越に第1号店を開いたのがかわきりである。もうお年が経過した... 。

果たして本当にファーストフードチェーンのハンバーガーが本物のハンバーガーとみんな思っているのだろうか。


鶏肉の問題だけでなく消費者が取捨選択できる正しい知恵をもたないとやっぱりこれからも問題は連鎖していくはず。

こういう考え方はやっぱり正しいのだろうとあらためて強く思う。

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