月経前気分不快症状、マタニティーブルーなんかは女子特有の症状
女性に起こるうつとしては、まず月経前気分不快症があります。月経数日前から抑うつ感や不快感が強くなり、月経開始から2~3日で消え始めるのがふつうで、約半数の女性が経験するともいわれます。
これだけでうつ病ということではありませんが、症状が1年以上続いたり、不快感が増していくときは、一度医師に相談してみたほうがいいでしょう。こういった気分の不安定をおさえるには、生活のパターンを変える刺激が役に立ちます。
お酒やたばこ、カフェインなどの刺激物をひかえ、カルシウムやビタミンをよくとり、炭水化物を少量ずつ回数を分けてとてきどるようにします。
適度な運動も効果的といわれます。妊娠・出産とうつの関係もだいじな話題です。妊娠中については、かつてはうつ病は少ないと考えられていましたが、最近は、必ずしもそうではなく、むしろかなり多いとさえいわれるようになっています。
出産の直後には、半数以上の女性に、マタニティブルーと呼ばれる気分の沈み込みが現れます。涙が止まらなくなったり、いても立ってもいられずに夫の職場に電話をかけてしまったり... 。体験した多くの女性は、あとから振り返って、なぜだかまるでわからない、自分でもどうしようもなかった、といいます。
これらの症状はふつう1週間程度で消えます。しかし、出産した女性の10~15% では、強い不安、パニック発作、産まれた子どもに興味が持てないなどの症状が続くことがあります。これが産後うつ病です。
このような状態になったときは、抗うつ薬などで早めに治療することがたいせつです。なお、薬によっては母乳中に微量が分泌される可能性があります。薬の使用と授乳方法についてはひとりで心配しすぎずに主治医とよく相談してください。
妊娠中や出産後のうつについては、夫や家族など周囲からの精神的なサポートがとてもだいじです。ついみんなで喜ぶことが先に立ち、母親の孤立感やつらい気持ちが見落とされてしまいがちですが、本人にとって大きな負担であることを忘れずに、一時的な気分の落ち込みや、イラそうしつイラ、自信の喪失などを責めたりせずに、なんでもできるだけ手伝うという意志を伝え、新しいお母さんを支えてあげてほしいと思います。
女性ホルモンとうつについては、卵胞ホルモンや黄体ホルモンなど、女性ホルモンの分泌の変化により、月経や排卵前後から心や体に不快な症状を覚える人は多いのですが、この症状は、ストレスや環境の変化により、さらに強まることがあります。
なかでも精神的な苦痛が強く現れ、仕事の能力が低下したり、人間関係のトラブルを起こすような状態が1年以上続く場合を「月経前不快気分障害」といいます。
不妊によるうつ症状についてはとても重要です。子どもがいない女性は、周囲の「お子さん、まだなの?」ということば自体に傷つくことが少なくありませたいん。相手に他意がないことを知っているだけに、自分を責める気持ちになってしまいがちです。
不妊治療を受けるということになると、検査も治療もなにかとつらいものですし、成功率も高くはありません。こんなことでいいのだろうかという考えにとらわれる人もいますし、夫婦関係がこじれてしまうこともあります。本人の不安定な気持ちを、周囲の人たちがしっかりサポートしてほしいと思います。同時に、子どもができるできないに左右されない、自分の生き方を見つめ直していくこともたいせつです。
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