清酒は、米、米麹、水を主原料につくられる。原料の選定と蔵元の長年の酒造りの技術があって、香味が良い良好なお酒ができる。ここ数年は、フルーティーな香りで、のどこしがさわやかな清酒が人気を集めているが、人工的に香りを付けている清酒があるというのだ。
日本酒造組合中央会(東京都港区)に聞いてみたところ、「何かを添加して香りを付けているという清酒はありません。香りを付けるものを入れれば違法行為になります」とのことだ。
確かに、酒税法で清酒に香料を添加することは禁じられているが、実は法の網の目をくぐる方法がある。ある蔵元の社長がいう。「十数年前の吟醸酒ブームの頃は、米から抽出した物質を添加して香りを出していた酒造メーカーもあります。香料の原料は清酒と同じ米ですから、同じ原材料ということで違法にはならないわけです」
しかし、最近はこの方法は姿を消し、別の方法で什付われている。「今は、酵母の研究が進んでいて、香りを出す酵母が開発されています。薬剤で酵母に突然変異を起こして作るんですが、それを添加して香りを出すことが行われています。
香りのほかにも味わいを出す酵母も同様に作られています。酒造りの最初の段階に入れていろいろな香りを付けるわけです。酵母は酒作りの原材料ですから、そこから抽出したものを添加しても問題にはなりませんが、私は日本酒を堕落させる行為だと思います」
こうした酵母の多くは、大手酒造メーカーなどの特許がとられているが、清酒のラベル表示には、これらの酵母は一切、記載されていないから、消費者にはまったく分からない。いくらフルーティーな香りがしても、それは日本酒本来の香りではない。
最近では、日本酒飲み比べセットなども販売されている。
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