朝は決まった時間に起きて夜はぐっすり眠るという当たり前の生活リズムは精神的な健康にとっても大切な意味をもっています。
うつ状態の改善をはかるうえで、生活のリズムを整えることはとても重要です。とくに、昼と夜、起きている時間帯と寝ている時間帯のメリハリです。
ごくシンプルにいえば、朝きちんと目を覚まして、起きて、昼間はそれなりに活動をして、夜は眠くなってから寝床につくという、ふだんならあたりまえの朝から夜までの流れが、たいへんだいじです。
うつ病になると、多くの人が、寝つけない、途中で目が覚める、早く目が覚める、眠りが浅いなどの睡眠の乱れに悩まされますが、このように生活リズムを整えることは、睡眠障害への対策上しても有効です。
まず、朝はなるべく決まった時間に起きるようにします。私たちの体は、サーカディアンリズムと呼ばれる25時間周期の体内時計で動いています。1日は24時間ですから、昨夜寝つくのが遅かったからという理由で、朝起きる時間を遅らせていくと、睡眠と覚醒のサイクルがしだいに後ろにずれていきやすいので、気をつけなければいけません。
朝決まった時間に起きるためには、目覚まし時計を使うほか、ベッドの頭のほうを窓ぎわに向けて、起きる時間になつたらカーテンを開けて朝の光を浴びる、音楽をかけるなど、自分で苦痛に感じない程度の方法を考えてみましょう。
家族や身近な人の手助けを借りるのもよいでしょう。夜は、寝床につく時間を早くしすぎないようにすることがたいせつです。不眠ぎみだと、早く眠ろうと早めに横になってしまう人がいますが、もともと眠れないのですから、かえってさらにリズムを乱してしまいます。
むしろ、なるべく眠くなるまで起きていて、眠なてから寝床に入り、横になったらほかのことはせずに、寝ることだけを考えます。むりなくできる範囲で、昼間に軽い運動をするのもよいことです。
体動かすことは、それ自体うつ症状によい効果があり、とくに有酸素運動が有効だといわれています。コーヒーなどの刺激物は避け、飲むなら温めた牛乳などにします。寝る直前の食事はよくありませんが、空腹すぎて眠れないときには、ごく軽めの食べ物をとるとよいでしょう。眠れないからといってお酒を飲むと、かえって眠りが浅くなるので、寝る前のアルコールは避けるようにしてください。
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