骨密度調査の結果は

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1993年、厚生省が小学生から大学生の男女約500人を対象に、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどれだけ含まれているかを調べる「骨密度調査」を行なっています。

その結果、人間の骨は17歳から20歳の間に成長のピークを迎え、20代には早くも老化が始まることがわかりました。つまり、人間の一生の骨量は20代までに決まってしまうのです。それまでは「人間の骨は30代まで成長する」というのが定説だったのですから、この厚生省の発表は大きな反響を呼びました。

それは今まで30代からでいいと考えられていた骨粗繋症の予防も、もっと早い時期から行なう方がいいということ。できれば骨量が決まってしまう加代までの間に、日頃の食生活でカルシウムをたくさん摂取しておいた方が、骨粗鬆症にかかりにくくなるのです。それなのに若い世代のカルシウム摂取不足は年々深刻になるばかり。

数年前、ある専門学校が生徒を対象に調査したところ「20 歳前後の女性の約15パーセントは50~60 代の骨量しかなかった」という、深刻な結果も出ているほどです。

その原因のひとつが無計画なダイエット。きちんと栄養バランスを考えないで行なう食事制限はミネラル摂取不足を招きがちです。ただカロリーさえ減らせばいいとサラダやフルーツばかり食べていたり、食物繊維だけを摂りすぎたりすると、いっぺんに体内のミネラルが不足してしまうのです。

痩せたい願望″ の強い女性の中には、欧米のスーパーモデルたちの真似をして、菜食を始める人がいます。しかし酸性土壌でミネラルが少ない日本の土で育つ野菜やフルーツには、そもそも欧米の野菜のように豊富なミネラルが含まれていません。ですから菜食だけで必要なミネラルを補給するのには限界があります。また、便秘解消や血管へのコレステロール沈着を防ぐと注目されている食物繊維も、それだけを食べ続けていると、消化管の中でカルシウムやマグネシウムとくっついて溶けにくい物質を作り、体内に吸収されにくくしてしまう作用をします。
カルシウムを十分に補給するためには、まず、こうした毎日の食生活の見直しから始めましょう。間違ったダイエットを続けていると、骨がスカスカになり、老後を寝たきりで過ごすことにもなりかねません。

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