今やすっかり国民食となったカレーライス。戦後いわゆる固形のルーが普及するまでは、牛、豚、鶏の肉や骨でスープをとり、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、ニンニクをいため、小麦粉をこがし、カレー粉を入れておいしいカレーライスを作っていた。
そして、母親がそれぞれ工夫して醤油やトマトやリンゴ、干しぷどう、蜂蜜等を入れ、家庭の味を出していたものだ。
今ではそんなカレーライスを食べるのは不可能に近い。レストランでも家庭でもカレールーから作るのが大半。カレーチェーン店でも市販のカレールーが使われているのは公然の秘密である。食品会社が作るカレールー をいかに混ぜ合わせて使うかが、唯一、lコックの腕の見せ所であると言っても過言ではない。
例えば、レストランのビーフカレー、ポークカレーでも、中の肉はカレーが出来てから入れているから、肉汁の本当のうまみやおいしさを味わうことはできない。カレールーの主原料は固形脂肪で、どのカレールーも5~10%程度である。
カレー粉が5〜10% でも入っていればまだいいが、中には1% も入っていないカレールーもあるから驚く。学校給食にも納入されているあるメーカーのカレールーがそれ。原材料は、小麦粉51.1 %、油脂27.2%、調味料(化学調味料等含む)19 .2 %、脱脂粉乳1.9%、香辛料少々、カレー粉少量となっている。少々というのは1%未満のことだがカレー粉が1%も入っていないのにカレーというのはどんなものだろうか?
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