女性より男性の方がガン死亡率が高い理由

がんはたった1個のがん細胞が分裂増殖したもの

本人の死因の第1位は、がんです。がんによる死亡率を男女別に見ると、男性は人口10万人あたり年間270人、女性は167人で、男性のほうが1.6倍も多いことがわかります。その謎解きをするため、最近明らかになったがんと活性酸素、フリーラジカルの探い関係を見ていくことにしましょう。

がんは、がん細胞の集まりです。直径1センチほどの早期がんでおよそ10億個のがん細胞からなるといわれます。

この1センチのがん、あるいはもっと大きながん組織も、もとはたった1個のがん細胞が分裂増殖したものです。では、最初の1個のがん細胞はどこから生まれたかといえば、正常な細胞ががん細胞に化けるのです。正常細胞ががん細胞に化けるまでを「発がん」といいますが、発がんの過程には活性酸素やフリーラジカルが深くかかわっています。

発がん物質は活性酸素やフリーラジカルの発生源

正常細胞の発がんはイニシエーション(開始)、プロモーション(促進)、プログレッション(悪性化)の3段階を経て進行すると考えられています。これらの過程を引き起こす化学物質は「発がん物質」と呼ばれます。

発がん物質が正常細胞にどのような作用を及ぼすかをくわしく調べた結果、発がん物質のほとんどがその刺激によって、細胞周辺にさまざまなフリーラジカルや活性酸素を発生させ、細胞を傷めつけていることが今日では明らかになりました。発がん物質はある特定の職業の人にがんが多発することから発見されたものが少なくありません。

医学史上初めて職業がんについて記したのはイギリスの外科医ポットで、毎日すすまみれになって働く煙突掃除夫に陰嚢がんが多いことを報告しました。すすには、ベンツビレンという強力な発がん物質が含まれています。ベンツビレンは自動車の排気ガスやたばこのタールにも含まれますが、このベンツビレンは体内に吸収されると、活性酸素やフリーラジカルを発生させるのです。

正常細胞の遺伝子の鎖を切断するフリーラジカル

フリーラジカルや活性酸素が正常細胞のがん化に働く過程です。正常細胞にくらべ、がん細胞がきわ立って異なるのは「自律性増殖」といって、無限に増殖しっづける性格を備えている点です。がんが大きくなると、臓器にくい込みながらな おも増殖するのはこのためですが、こうした性格は、がん細胞の最初の1個が生まれた時点ですでに備わっているのです。

正常細胞では、細胞分裂のアクセル役やブレーキ役をする遺伝子が、正常に作動しています。たとえば胃の上皮細胞などは約3日ですべての細胞が入れかわるほど活発な分裂を繰り返していますが、それでも胃袋が胃袋の形を失わないのは、細胞外から届く分裂増殖の命令を受けとる遺伝子、」命令を細胞内に伝える遺伝子、命令の内容を点検する遺伝子、細胞分裂のスイッチを入れる遺伝子、スイッチを切る遺伝子などがすベて正常に働いているからです。

がん細胞では、こうした細胞分裂のアクセルヤプレーキが壊れています。アクセル(がん遺伝子) は踏みっばなしの状態で、ブレーキ(がん抑制遺伝子)はきかなくなっています。イニシエーションとはこのような遺伝子の異常が細胞内に蓄積する過程です。フリーラジカルや活性酸素には、遺伝子DNAに突然変異を起こしたり、DNAの鎖を切断する作用が確認されています。

発がん物質は直接、DNAに損傷を与えるとも考えられますが、多くはフリーラジカルや活性酸素の発生を介してDNAに障害を及ぼすのです。したがって、煙突掃除夫や喫煙者のように発がん物質を多く摂取する生活習慣を送っている人でも、同時にフリーラジカルや活性酸素を消去するものを摂取すれば、がんのリスクを軽減できるのです。

炎症のあるところにガンが発症しやすい

発がんのプロモーションは、正常細胞に起きた異常が遺伝子から細胞膜にまで及び、がん細胞としての形がととのう過程ですが、この段階では活性酸素の発生がより大きな問題となります。

細胞膜に含まれる不飽和脂肪酸がヒドロキシルラジカルの一突きで自動酸化されると、細胞膜に過酸化脂質がたまり、正常な細胞膜の働きを失います。

がんは慢性炎症のあるところに多く発生します。ピロリ菌感染などによる慢性胃炎の人は胃がんに、ウィルス性慢性肝炎の人は肝がんになりやすいのですが、これは炎症組織に絶えず発生している活性酸素によって細胞膜が自動酸化され、プロモーションが進むからだと考えられています。

また、プログレッションとは、がん細胞の顔つきが悪くなり、転移などを起こす札つきの悪になっていく過程ですが、がんの悪性度も、がん細胞の周辺に発生する活性酸素やフリーラジカルによって決定的に左右されるのです。

されるのです。 女性より男性のがん死亡率が高い原因は鉄貯蔵量の差?

さらに最近、発がんを間接的に促進する要因として、体内に存在する鉄が注目されています。鉄は赤血球の生成などに不可欠なミネラルの一種で、それ自体はもちろん発がん物質ではありません。一方、炎症において好中球などから発生する過酸化水素はフリーラジカルではなく、活性酸素の中ではおとなしいほうです。

ところが、過酸化水素と鉄が反応すると、遺伝子や細胞膜への障害作用の強いヒドロキシルラジカルが発生するのです。また、細胞膜の自動酸化は鉄-酸素複合体によっても引き起こされます。

女性は月経によって多量の鉄を失いますので、男性より体内の鉄貯蔵量が少なく、このため鉄の1日所要量は成人男性で10ミリグラム、女性で12ミリグラムと女性で高めに設定されています。

もし男性が女性と同じレベルで鉄を摂取すれば、体内の鉄貯蔵が過剰になり、ヒドロキシルラジカルや鉄-酸素複合体の発生量をふやす要因になる可能性があるわけです。女性より男性のがん死亡率が高い理由は、1つにはこのような鉄貯蔵量の差にあると推測されていますので、鉄のとりすぎにはじゅうぶんな注意が必要です。

ひところ、さんまの焼け焦げから発がん物質が見つかったとして、魚や肉の焦げに神経質になる人がふえました。身の回りの発がん物質に注意することも確かに必要ですが、それだけではがんの予防策として万全でないことがおわかりいただけるでしょう。

要なのは、体内に発生した活性酸素やフリーラジカルを速やかに消去することです。ビタミンC 、ビタミンE 、β カロチンなどの抗酸化ビタミンには実際、すぐれた発がん抑制効果が認められているのです。

ガンを消滅へと導くフコイダンhttps://fucoidan-guide.net/archives/98