こんなタイプは体内に多くの活性酸素が発生している

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タイオシキンや残留農薬も活性酵素の発生源

活性酸素やフリーラジカルが体内に発生する原因は内因と外因に分けることができます。

内因性の発生源の主な場面として好中球性の炎症、ストレスなとによる虚血-再灌流、エネルギー産生に伴、漏出がありました。

一方、外因性の発生源は、すでにふれた紫外線と発がん物質のほかにも数多くの場面が知られています。最近、注目されている環境ホルモンの問題では、多くの化学物質が、従来考えられていたよりもはるかに微量で体に作用し、内分泌系をかき乱す可能性のあることが指摘されています。

環境庁がリストアップした約70種類の環境ホルモンのうち、筆頭にあがっているのが、ダイオキシンです。ダイオキシンはゴミの焼却過程で生成したり、除草剤に不純物として含まれる毒性の強い化合物で、わが国でも川魚やしじみなどから検出されています。

ダイオキシンの毒性の一部は、その刺激によって体内に多量のフリーラジカルを発生させ、細胞膜の自動酸化を引き起こし、細胞を壊死に至らしめることによるものと考えられています。

農薬では、除草剤のパラコートなどがフリーラジカルの発生源となります。日光の紫外線はその刺激で生物の体内に活性酸素やフリーラジカルを発生させますが、その日光をさんさんと浴びている植物が枯れないのは、抗酸化ビタミンやフラボノイドなどの抗酸化物質を豊富に蓄えているからです。

しかし、なんらかの原因で活性酸素やフリーラジカルの発生量が著しくふえると、抗酸化物質による防御システムが破綻し、その植物はたちまち枯れます。パラコートは多量のフリーラジカルを発生させて雑草を枯らしたのち、土にふれると不活性な形になり、すぐに作物を植えつけることができるため、すぐれた除草剤として広く利用されているのです。

このパラコートを吸い込んだり、野菜などの残留農薬を口にすれば、当然、体内でもフリーラジカルが発生します。四塩化炭素は米国では大麦、とうもろこしなどの穀物の収穫後に殺虫剤として燻蒸される農薬の一種ですが、わが国ではドライクリーニング液の成分などとして使用されます。この四塩化炭素も体内に入るとフリーラジカルの発生源となり、主に肝機能を障害して脂肪肝などを招くことが知られています。

フリーラジカルが酸性雨を降らせる

都会に見られる大気汚染物質の中には、フリーラジカルの発生源となり、またそれ自身もフリーラジカルとして作用するものが多く含まれています。自動車の排気ガス、ことにディーゼルエンジンから排出される排気ガスは一酸化窒素、二酸化窒素、オゾンなどのフリーラジカルやラジカルの発生源となる物質を多量に含んでいます。

一酸化窒素や二酸化窒素は細胞膜の多価不飽和脂肪酸から電子を引き抜き、自動酸化を引き起こして細胞を傷めつけることが知られています。

これらは呼吸によって肺にとり込まれますので、肺気腫や気管支ゼンソクなど、主に肺や気管支にダメージを与えます。

地球の上空ではまた、酸素と水素から過酸化水素が発生しています。これ自体は自然現象ですが、オゾン層が薄くなったおかげで紫外線の影響が強まり、過酸化水素が紫外線で分解され、ヒドロキシルラジカルの発生量がふえています。工場の煤煙や自動車の排気ガスに含まれる一酸化窒素や二酸化窒素、亜硫酸ガスが上空に上り、ヒドロキシルラジカルと反応すると、硝酸や硫酸ができます。これらが問題の酸性雨となって地上に降り注いでいるのです。

ダイオキシンについてはこちら。

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