ウォーターローティング

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ここ最近、スポーツ医学の世界で注目されている水分補給法に「ウォーターローティング」というものがあります。これは順天堂大学の助教授が提唱している方法で、運動選手に水を計画的に摂取させることで、疲労回復を早め、試合中の運動能力の低下を防ごうとするものです。

実際にトライアスロンの選手にこの方法を指導し、高い実績を上げているといいます。これまでのスポーツの世界では、運動中の水分補給は極力控えた方がいい、という考え方が主流でした。運動中に水分を摂りすぎると体の疲労感が増し、時にはおなかが痛くなることもあるからです。しかし、現在はこうした考えは否定されつつあります。


10年くらい前から運動中に水を飲むことの大切さが指摘されるようになり、今では運動中は積極的に水分補給をするべきだといわれるようになりました。かつては、水を一滴も飲ませないまま何時間も続けて練習させるというのが普通だった高校や大学の運動部でも、練習にインターバルをもうけ、こまめな水分補給を心がけるスタイルに変わってきています。

その最も大きな理由は、発汗によって失われた水分の補給です。人間は運動すると体温が上昇し、下げるために汗をかきます。それでもなお運動を続ければまた汗をかきます。バレーボールやマラソンのように連続して数時間も運動を続ける場合は、なんと数リットルもの汗をかくといわれています。


先に説明したように、人間は体内の2パーセントの水が不足しただけでも脱水症状を起こしますから、数リットルもの汗が出ていったまま補給されなければ、やがては危険な状態に陥ってしまいます。
それを防ぐためにもこまめな水分補給は不可欠なのです。

しかし、運動中の水分補給の意味はそれだけではありません。運動によって排出される汗は体内の水ですから、さまざまなミネラル分を含んでいます。つまり汗をかくことで人間は水分だけでなく、貴重なミネラル分も失ってしまいます。

ことに、筋肉や心臓の機能維持にとって不可欠なミネラルであるカルシウムやナトリウムなど、汗によって体外に出て不足すると、筋肉が痙攣してこむら返りが起きたり、急激に心持数が上がったりします。またカルシウムやマグネシウムの不足は精神の不安定を招きますから、競技に集中できなくなったり、イライラが高じます。

長時間運動を続けるテニスプレーヤーの足が突然痙撃したり、審判の判定にいきなり怒りだしたりするのも、ミネラル不足が原因と考えられています。
そこで効果的なのが、運動中にミネラルがたくさん入った水で水分補給をすること。

ただし、この場合、大事なのは、ひとつのミネラルだけが多すぎたりしない、ミネラルバランスのいい水を飲むことです。運動中に水分とミネラルを同時に補給できる飲み物としては、スポーツドリンクが知られています。しかし最近では、スポーツドリンクは味を整えるための糖分が水分吸収の妨げとなることから、ミネラルウォーターを選ぶスポーツマンが増えてきました。有名なプロスポーツ選手が試合の合間にミネラルウォーターを口にする姿も、よく目にするようになりました。