生活に欠かせないミネラルウォーター

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1997年の統計によれば、ミネラルウォーターの平均消費量(ひとりあたり1年間にどのくらい飲んでいるか) は、6.3 リットルにも達しました。これは前年比133%増という驚くべき数字です。

国民ひとりあたり6L強というと、ずいぶん少ない感じがしますが、これは日本全国の赤ちゃんからお年寄りまでを含めた平均値。ミネラルウォーター は良質な飲み水に恵まれている地方ではほとんど売れていませんから、水道水に問題を抱えている東京や大阪の、20~30 代の人々だけで統計を取れば、おそらく年間何十Lという数字になると考えられます。ミネラルウォータl がここまで消費量を増やしている背景には、まず「用途の多様化」ということが挙げられます。
ほんの15年ほど前まで、日本でミネラルウォーターといえば、ウイスキーの水割り用の水のことでした。それが家庭用の飲料水として認知されるようになったのは、1983年に発売された「六甲のおいしい水」がきっかけです。この「六甲のおいしい水」 が華々しいテレビコマーシャルと共に登場するまで、日本でミネラルウォーターを一般市民に定着させるのは不可能と考えられていました。
それまでの日本では「水と安全はタグで買える」という考えが常識でしたから、ヨーロッパ諸国のように「お金を出して水を買う」という習慣が日本人に普及するとは、誰も想像していなかったのです。ところが、そうした予想に反して「六甲のおいしい水」は大成功をおさめました。

それは、この商品の発売と前後して、それまで日本人が「世界一の水」と誇りを抱いていた日本の水道水に、トリハロメタンやトリクロロエチレンといった発ガン性物質が含まれていることが、さまざまなメディアで報道されるようになったことと関連しています。つまり、日本でミネラルウォーターがその市場を拡大した最大の理由は「水道水への不信感」にあったのです。健康に不安を感じる人たちが「水道水の代用品」として買い求める、それがミネラルウォーター普及の第一歩でした。
しかし、1990年代に入ってからは、大分事情が変わってきました。バブル時代に起こったグルメブームによって、それまで水道水の代用品だったミネラルウォーターが、一躍、食生活のフィールドでも注目されるようになったのです。
料理に向く水、コーヒーがおいしくなる水などと、用途に応じたミネラルウォーターの使い分けがなされるようになってきたのもこの頃からです。
そして、1993年には、コンビニエンス・ストアで輸入ミネラルウォーターのミニボトルが販売されるようになり、ミネラルウオーターを片手に町を歩く若者の姿がごく自然に見受けられるようになりました。また同時期にミニボトルを入れて首から提げる「エビアンボトルホルダjー」が登場し、流行となったのは、まだ記憶に新しいところです。
ここ数年では、スーパーモデルや有名芸能人のインタビューなどがきっかけとなって、ミネラルウオーターのダイエット、美容への効果が若い女性の注目を集めています。とりわけ「スリムウォーター」として話題となった「コントレックス」の存在は、水とダイエットとの関係を大きくアピールしました。
最近では、なんと洗顔や歯磨きにまでミネラルウォーターを使うという人が増えているといいます。こうした「用途の多様化」こそが、ミネラルウォーター市場の急成長の理由です。すでにミネラルウオーターは「水道水の代用品」から「生活必需品」へと大きな進歩を遂げているのです。

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