糖尿病は、5年生存率50%

糖尿病はAGEの除去がスムーズにできなければ、高血圧症、脂質異常症、糖尿病網膜症、白内障、右外転神経麻痔、足の爪白癖、副鼻腔炎、歯周病、睡眠時無呼吸症候群、腎不全と死に向かいます。これらが、血糖のコントロールがよくなったこの5年間に発症し、いまも進行しています。

純炭粉末はAGEを排除し腎不全・脳卒中・心筋梗塞を予防する

血液データの上では、この5 年間、ヘモグロビンA1Cが5.0 % を超えたことはありません。悪玉といわれるLDLコレステロールも、100mg/dl以下です。塩分だって1日6 g以上とっていません。SASの治療も毎晩まじめに続けています。

それなのに血圧の薬はだんだん効かなくなり、網膜症は進行し、白内障を発症し、副鼻腔炎を起こして手術し、右外転神経麻痔で物が二重に見えるようになり、足の爪は白く分厚く変形し、寝ていると1時間に50回も呼吸が止まります。

歯を抜けば歯根のう胞でばい菌だらけだし、CAPD(腹膜透析) の腹腔カテーテルはトンネル感染を起こしました。体のあらゆる部位で、一年中戦争状態です。もし、20年前に治療を始めておけば...。

しかし、みなさんに言っておきますが、20年前にいまの状態をイメージできたかというと、「絶対不可能です」、なぜなら、自覚症状も不自由なことも、何1つなかったのですから。糖尿病の大問題は、動脈硬化が進行することです。脳卒中が増え、心筋梗塞が増え、下肢動脈塞栓症が増えます。腎臓の微小血管がやられて腎不全になります。こうなると、5年生存率が50% 程度というとんでもない窮地に追い込まれます。

しかも、糖尿病は治りません。5年生存率50% ! これが何を意味するか、少し考えてみましょう。

がん思考なら、おそらく5年生存率という言葉になじみがあると思います。がんと診断されて、5年後に生きている可能性は何% か? それが50 % ということは、5年後に生き残っている人は100人中50人しかいないということになります。

国立がん研究センター(旧国立がんセンター)の統計によると、最初に発症した臓器だけにがんがある限局がんならば、膵臓がんや胆管がんなどを除いて、5 年生存率は軒並み75〜90 %以上。ある程度の広がりを持った領域がん(リンパ節転移や隣接臓器への転移があるがん)でも40〜60% 程度です。

最近は、治療成績がよくなった感があります。では、糖尿病にかかわる病気の生存率はどうでしょうか。海外の、しかも10年以上前のデータで恐縮ですが、こんな調査結果があります。糖尿病の有無と、心筋梗塞を起こしたかどうかによって、

  1. 糖尿病も心筋梗塞もない、
  2. 糖尿病はあるけれど心筋梗塞はない
  3. 糖尿病はないけれど心筋梗塞はある
  4. 糖尿病、心筋梗塞ともにある、

・心筋梗塞ともにある、の4つのグループに分けます。それぞれを長期にわたって観察し、生命予後を調べたところ、興味深い結果が出ました。

まず、糖尿病のない心筋梗塞の人と、糖尿病はあるけれども心筋梗塞のない人の10年存率に有意な差がないこと。つまり、糖尿病があるだけで、心筋梗塞の患者と同じくらい予後が悪いということです。

2つ日は、糖尿病と心筋梗塞の両方があると5年生存率は70〜80% 、10年生存率は50%程度になってしまうこと。

この数字、がんの生存率とあまり変わらないと思いませんか。次に、糖尿病患者が透析をするようになると、5年生存率はどうなるでしょうか。名だたる病院のレポートを見ると、糖尿病に起因する慢性腎不全の5年生存率は50% 程度(日本透析医学会の統計による)、最近の良好なデータを探しても、50% 程度です。

糖尿病に起因する慢性腎不全や心筋梗塞の5年生存率は、限局がんよりよろしくない。周囲に転移した領域がんと同等程度なのです。ところが、世間の人の反応は違います。私はいろいろなところで問いかけます。「いちばん怖い病気は何ですか」多くの人が「がん」と答えます。1 28そうですね。もしも「がんです」と宣告されたら、誰もが意気消沈することでしょう。ところが、がんの人はたくさんいて、けっこう長生きしています。私の地域に限っいてえば、過去5年間に亡くなった肺がん患者7名のうち、発病5年以内に亡くなった人は2名だけです。

しかもがんの方は、亡くなる1ヶ月くらい前までは、自分の足で病院にやってきます。前立腺がんなどは、前立腺がんが主な原因で亡くなった人を、私は一人も知りません。前立腺がんのほとんどは70〜80歳といった高齢で見つかることが多く、10年生存率は40.4% です。

80歳のおじいさんが、10年後まで生きている可能性が40.4 % といわれると、がんではなくてもそんなものだろうと納得してしまいます。ある高齢の患者さんは、私ががんを発見したときにこう言いました。「先生、ありがとう。おかげで私は死ぬ準備ができる」胸に迫るものがありました。

この患者さんは、まわりで糖尿病に起因する脳卒中をたくさん見てきて、その末期がみな、死にたいくらい苦しいのに死ねない、辛いものであったことを知っていました。「脳卒中ではなくて、本当によかった」残念ながらこの患者さんは、2年もしないうちに亡くなられましたが、死を前にして立派な有り様であったと頭が下がります。

がんは恐ろしい病気です。でも、知っておいてください。みなさんが「がん= 死」と感じているのと同じくらい、「糖尿病= 死」なのです。糖尿病はそれだけ、死と隣り合わせの病気なのです。