グルコーススパイクが動脈硬化を促進させる

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食後高血糖がなぜ動脈硬化を促進させるのか。その答えを導きだす興味深い研究結果が、最近いくつか報告されています。血管の中を高い糖度の糖(実験では果糖を使っています)を流すと、単球という白血球の一種がたくさん血管の壁にへばりつきます。この単球接着という現象は、動脈硬化のスタートになる現象です。

血管の壁に接着した単球は血管の内皮細胞の中に入り込み、内皮細胞の下に沈着したLDL (悪玉)コレステロールを食べて大きくなります。将来これがプラーク(粥腫) というコレステロールの塊になり、動脈硬化を促進させます。

しかしそれだけでなく、単球の接着から始まって動脈硬化まで進める過程の引き金を、高血糖が引いていることがわかってきました。高血糖というと、持続的に血糖が高い状態と思いがちですが、それよりも急激に血糖値が高くなることを何度も繰り返すことで、この単球接着が起こり、動脈硬化が進行するようなのです。

この、急激に血糖値が高くなることが「グルコーススパイク」です。糖尿病予備軍(境界型糖尿病) と呼ばれる人は、全員とは言いませんが、おおむね食後高血糖の人だろうと考えられます。食後、急激に高血糖になると、血管の壁に単球の接着が起こり、動脈硬化が進みます。そう考えると、いつも血糖値が高い糖尿病と、正常の人より食後に血糖値が高くなる食後高血糖との間に、心血管疾患の出現率の差があまりないうなずことも頷けます。

つまりどちらも、食後にグルコーススパイクが起きているのだと思います。ですから、この血糖値の急激な上昇を抑えることが、全身の血管を守るために重要なことなのです。