ストレス 錆び の原因 になる

ストレス 錆び の原因 になるので注意しなければいけません。「体の錆び」という表現は、身体的な運動不足や偏った食生活、ストレスや睡眠不足などが原因で、身体の調子が悪くなっている状態を表す言葉です。これは、鉄や金属が空気中の酸素と反応して表面に赤茶色の酸化物が生成される現象である「錆び」になぞらえた表現です。錆びの原因になるストレスについて取り上げてみようと思います。

ストレス 錆び の原因

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酸化 とは、物質が酸素と結びついて起こる化学反応をいいます。りんごを切ったまま放置しておくと断面が茶色く変色するように、物が燃えたり鉄が錆びたりするのも、酸素が結びついて起こる現象です。もう少し丁寧に説明すると、酸化は、鉄や金属が空気中の酸素と反応して表面に赤茶色の酸化物が生成される現象である「錆び」や、果物や野菜が空気に触れることで茶色く変色する現象などが代表的な例です。また、酸化反応によって発生する熱や光を利用することで、化学反応を起こす反応もあります。

呼吸によって絶えず取り入れている酸素は、全身の細胞で新陳代謝やエネルギーの産出をしたり、各器官の機能をスムーズに進めるために使われた後、酸化炭素と水に分解されて体外に排出されます。これらの複雑な化学反応の過程で、吸い込んだ酸素の一部が酸化力の強い活性酸素に変化します。

もともと 活性酸素 は、体内に侵入した細菌やウイルスを殺すためにつくり出される、いわば免疫反応でもあります。細菌やウイルスなどの病原体をやっつけるのは免疫細胞ですが、やっつけるときに大量の酸素を消費して活性酸素をっくることで、病原体を死滅させています。

しかし、適量であれば健康維持に役立ちますが、過剰になると今度は正常な細胞を酸化させて傷つける凶悪な存在となります。細胞膜の脂質が酸化すると、細胞が栄養と老廃物の出し入れをスムーズにできなくなり老朽化します。

また、細胞の核の遺伝子が傷つけられると細胞が変異し、がん化してしまいます。さらに、血液中の悪玉と呼ばれるL D L コレステロールを酸化させ、動脈硬化を加速させて血管の老化を促進します。

体内の活性酸素をすぐに消し去る抗酸化ビタミンの効果

ストレスなどの環境要因で増加

しかも、活性酸素 を発生させる原因は、呼吸だけではありません。ストレスや食品添加物、紫外線、環境汚染、電磁波、農薬など、さまざまな環境因子や偏った生活習慣で増えていきます。こうした活性酸素の書から身を守るために、体内には抗酸化酵素という物質が備わっています。

この抗酸化酵素は、活性酸素から結びついている酸素を奪い取って酸化を防ぐ働きをしています。しかし、抗酸化酵素も加齢とともに減っていくため、体内では処理しきれないほど活性酸素が溢れ、細胞は常に酸化の危機にさらされています。この時期にメタボやがんになることが多いことから、活性酸素は凶悪性を持つ老化物質ともいわれています。

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活性酸素についてはこちら。

加齢で身体の抗酸化パワーは衰えていくのは当たり前ですが、40歳が大きな節目となります。一重項酸素を有効に消してくれる抗酸化酵素はないものの、SODとカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼといった抗酸化酵素、それにビタミン類や各種の抗酸化物質(カロテンやポリフェノールなど) の協力で、活性酸素は何とか処理されています。

ここで問題にしたいのは、最初の活性酸素であるスーパーオキシドラジカルです。この活性酸素を叩いておけば、そこから起こる活性酸素の連鎖にまずクサビが打ち込めます。

呼吸や普通の生活で多少多めにスーパーオキシドラジカルが発生しても、それくらいであればSODが処理してくれます。しかし、スーパーオキシドラジカルが大量に発生すると、つくられるSODが間に合わなくなります。

実はもう一つ、大変な問題があります。年齢とともに、つくられるSODの量が減るといわれているのです。

SODだけが抗酸化力だけではありませんが、SODの減少は抗酸化力に大きな影響を与えることは間違いありません。

たとえば、加歳の抗酸化力を100% としますと、20〜30歳でゆっくりと低下し、40歳ぐらいには80% になるといわれています。40歳からは10歳ぐらいごとに20% ほどずつ低下し、50歳代では60% 、80歳代では何とゼロに近くななってしまうといいます。

減少するのはSODだけではありません。カタラーゼもグルタチオンペルオキシダーゼも、年齢とともにつくられる量が減っていきます。

「活性酸素は老化の大敵、病気の元凶です」何度か、こう繰り返しました。いろいろな老化現象から老化を感じるのは、40歳ぐらいからでしょう。

ガンをはじめとした生活習慣病が発見されるのも、中高年世代が多いものです。中高年になると抗酸化酵素が減少し、消されない活性酸素がどんどん増えます。そうしたことから老化が進み、病気が発症すると推測することは無理のない考えだと思います。

活性酸素についてはこちら。

ビタミン効果高める 抗酸化物質 を摂ることのメリットについて紹介します。抗酸化作用のあるビタミンですがそんなビタミンをより効果アップさせるためにはどんなものを一緒に摂るといいのでしょうか。詳しく紹介していきます。

ビタミン効果 高める 抗酸化物質 を摂る習慣をつけたい

抗酸化作用を最大限に引き出し、若々しい毎日をサポートするための習慣づくりの第一歩は、「食事」にあります。年齢の割に老けて見える人、若く見える人の違いは、食事が8割を占めるとも言われています。そのくらい食事は重要です。

道端の1枚の葉っぱにも未知の抗酸化物質が

最近、赤ワインや緑茶など抗酸化物質を含む食品が大きな注目を集めています。また、その他にも、植物性食品から日々新たな抗酸化物質が発見されているといっても過言ではありません。動物性のたんぱく質をこれまで以上に食べる習慣が定着してしまった現代人は、積極的に抗酸化物質を摂取する意識と行動が必要になるのは言うまでもありません。

これは考えてみれば当然のことで、植物はビタミン以外にもさまざまな抗酸化物質を蓄えることによって、紫外線の刺激で発生する活性酸素から身を守ってきたのです。試しに道端の草木の葉を1枚ちぎってみれば、そこには必ずや未知の抗酸化 物質が見つかるに違いありません。

現代人は、マスメディアの情報に流され、情報量の多さを、体にとっての重要度と混同しがちです。ピタミンから話題がやや離れますが、他の抗酸化物質について少し頭の中を整理しておきましょう。

フラボノイドを含むハーブもがんを防ぐ

米国では国立がん研究所を中心に「デザイナーフーズ・プログラム」といわれる植物性食品による発がん予防研究が1990年に始まりました。「デザイナーフーズ・プログラム」についてはこちら

この研究では、40種類近い野菜や果物などに発がん抑制効果が認められ、がん予防にとって重要性の高い順に並べたピラミッドが示されました。

これらの食品が持っている発がん抑制作用の多くが、活性酸素やフリーラジカルによる障害を防ぐ抗酸化物質の作用であることも明らかにされています。にんにくとキャベツが上位を占めたのは少し意外かもしれませんが、にんにく、にら、玉ねぎ、らっきょうなどのユリ科植物と、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、芽牙キャベツなどのアブラナ科植物は、ともに抗酸化作用にすぐれた含硫化物を多く含んでいます。抗酸化作用によって変異原性抑制効果(遺伝子の障害を防ぐ効果) を示すフラボノイドを含む食品が多くあがっているのも"替徽的です。

甘辛はフラボノイドを含む生薬の1つですし、大豆もビタミンEだけでなく、ルチンやダイゼインなどのフラボノイドを豊富に含みます。ピラミッドの下段ではハーブが日立っていますが、これらの発がん抑制効果もフラボノイドによるところが大きいようです。オレガノに含まれるケルセチンは、玉ねぎに豊富で、ブラックカラントなど野生種に近いリーにも含まれます。

バスコダガマが航海を必須で続けた理由

航海をつづけた理由船員の3分の2を壊血病で失いながら航海をつづけたバスコダガマの目的は、こしょうなどの香草科でした。

当時の人々が命がけでこしょうを手に入れたがった理由は、肉料理の味をよくするだけでなく、こしょうを肉に塗ると抗酸化作用によって肉が傷みにくくなることを経験的に知っていたからです。

こしょうはあげられてい・ませんが、ショウガ科のターメリックが上位にランクされています。ターメリックの主成分はタルクミンという色素で、カレーのルーが黄色いのはこのタルクミンの色です。タルクミンは腸管粘膜から吸収される際、テトラヒドロタルクミンという強力な抗酸化物質に変わることが今日では明らかにされ、大腸がんなどの予防に期待が持たれています。

とうがらしのカブサンチン、カプサンチンは、赤ピーマンに含まれる赤色色素のことでカロテノイドの一種です。 抗酸化作用を持ち、善玉(HDL)コレステロールを上昇させる働きがあるため老化や動脈硬化を予防する働きがあります。 また近年ガンの予防効果も示唆され、注目されています。

ごまのセサミノールの抗酸化作用も注目されています。ゴマリグナンの1つであるセサミノールは、セサミンが代謝後に抗酸化作用を示すのに対し 、直接に強力な抗酸化作用があります。ゴマの種子中では配糖体の形で含まれており、体内 でセサミノールに変換され腸管から吸収され、細胞の酸化を抑える生理機能を持つとされています。

ハープや香辛料、またにんにく、しょうがごまなど、料理に風味を与える食品にはこのようにすぐれた抗酸化物質が発見されています。料理にひと手間をかけ、これらをまめに利用することが、体内の活性簡素の消去に役立つかもしれません。

日本古来の緑茶は強力な抗酸化剤

緑茶の渋み成分であるカテキンも広い意味ではフラボノイドの仲間に入り、その強力な墓素消去作用が注目されています。カテキンは、ポリフェノールの一種で、昔からタンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です。 カテキンの語源は、インド産のアカシア・カテキュー(マメ科アカシア属の低木)の樹液から採れる"カテキュー"に由来しています。
カテキンの効能、効果はこちらです。

カテキンは水溶性と脂溶性の中間的な性質を持つ物質で、緑茶の葉に湯を注げば、湯の中にとけ出します。つまり緑茶を飲むことでカテキンを手軽に摂取できるわけですが、そのカテキンは吸収されると、油でできている細胞膜の表面に付着するような形で存在するものと想像されています。細胞の内外にはビタミンCが、また細胞膜にはビタミンEやβ カロチンが存在しますが、カテキンはこれらの抗酸化ビタミンと分布の場所がやや異なることから、抗酸化ビタミンの作用を高める相乗効果が期待されているのです。

赤ワインを毎日飲んで動脈硬化を防ぐ

ブドウの果汁のみを原料とする白ワインにくらべ、赤ワインは果皮や種を含むブドウの実をまるごと発酵させてつくるため、果皮のアントシ アニンという色素や、ケルセチンなどのフラボノイド、カテキンなど、抗酸化物質を豊富に含みます。これらの抗酸化物質をまとめてポリフェノールとも呼んでいます。

欧米の多くの国では心臓病が死因の第l位を占め、その原因として乳脂肪などの動物性脂肪のとりすぎが指摘されてきました。

例外的にフランスでは乳脂肪の摂啄量が多いわりに心臓病が少なく、この事実は「フレンチ・パラドクス」と呼ばれ、医学者の頭を悩ませてきました。

フランスは赤ワインをよく飲む国で、1人あたり1日180cc(4日でボトルl本)を消費します。その赤ワインを2週間飲んだ人から採血してLDLを調べると、飲む前にくらべ、LDLが酸化されるまでの時間が延長し、酸化されにくくなっていることが国立健康・栄養研究所の実験で明らかになりました。

フレンチ・パラドクスを解く鍵は、赤ワインに豊富なポリフェノールがLDLの酸化を抑制する作用のあることがこうして解明され、赤ワインが一躍脚光を浴びることになったのです。

トマトジュースを毎日飲むとLDLの酸化が抑制される

しかし、緑茶のブームと同じことがここでもいえます。赤ワインがお好きなかたは、4日でボトル1本を超えないペースでお飲みになれば、アルコール性肝障害にもならず、動脈硬化や心臓病の予防効果が期待できるかもしれません。しかし、LDLを酸化されにくくする食品はなにも赤ワインばかりではないのです。トマトジュースを3週間飲んだ人から採血してL D L コレステロールを一重項酸素で酸化した実験の結果があります。

コレステロールが酸化されて生成する過酸化脂質の量が時間を追って調べられていますが、トマトジュースを飲む前にくらべ、過酸化脂質の生成量は有意に(統計的に誤差でなく)減少しました。これはトマトジュースの摂取により、カロテノイドのリコピンがL DLに入り、一重項酸素の消去に働いた結果と考えられるのです。

トマトを原料にたこうした健康食品が血圧を下げるという効能についても理解できるように思います。トマトのリコピンによるガン抑制効果はとても知られていますが、熱にも比較的強いので、野菜のトマト煮や、トマトソースのスパゲッティとして食べても、がん予防には有効です。また、旬のトマトを食べたほうが効果があるので夏のトマトをしっかりと食べるのがおすすめです。また、トマトはリコピンの効果以外にがんの予防に有効な成分が含まれています。たとえば、抗酸化作用のあるβカロチンや、ビタミンA 、C 、E 。そのほか、抗がん作用があるミネラルのセレン(セレニウム)、大腸がんを予防する食物繊維・ペクチンもそうです。抗酸化ビタミンとしても優秀ですが、抗ガン効果としても非常に有効な食材です。トマトのプロフィールはこちら

スカベンジャーの主役は抗酸化ビタミン

ヒトの血液には、ビタミンE、C、βカロチンがおよそ30対50対5 の比率で含まれています。血液中のビタミンEはほとんどがコレステロールを運ぶLDLなどのリポタンパク中に存在し、窒素を消去してLDLの酸化抑制に働いています。

LDL にはビタミンE のほか、αカロチン、β カロチン、リコピン、ルティンなどのカロテノイドが含まれ、これらも窒素の消去に働くようです。他方、赤ワインのポリフェノールをはじめ、紹介したさまざまな抗酸化物質が、血液中や細胞周辺にどのように分布し、抗酸化作用をどの程度担っているかについてはくわしくわかっていません。赤ワインポリフェノールはの効能、効果はこちら。

しかし、その重要度は、3種類の抗酸化ビタミンをけっして超えることはないと断言して差し支えありません。スカベンジャーの主役はあくまでビタミンであり、食品中の他の抗酸化物質はビタミンが不足したときにその作用を補い、ビタミンの作用を高める補助的な役割を担っているのです。

過酸化脂質の分解をすすめるビタミンB2

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体内にできた過酸化脂質を抗酸化酵素が分解する

ビタミンEは細胞膜や、血紫中ではLDLに多く含まれ、油の酸化を防ぎ、過酸化脂質の生成を抑えていますが、できてしまった過酸化脂質を分解する作用まではありません。

では、細胞膜などにできた過酸化脂質は蓄積する一方かといえばけっしてそうではなく、抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼがその分解に働きます。この過酸化脂質の分解に、間接的ながら、重要な位置を占めているのがビタミンB2です。グルタチオンペルオキシダーゼというのは、主な生物学的役割が酸化的損傷からの有機体の保護であるペルオキシダーゼ活性を有する酵素ファミリーの一般名で

過酸化脂質分解酵素の核をなしているセレン

グルタチオンペルオキシダーゼには、過酸化脂質とグルタチオンとの反応を仲立ちして、過酸化脂質を水とアルコールに分解する作用があります。グルタチオンペルオキシダーゼの構造を見ると、セレンというミネラルが核をなしています。したがって、もしセレンが欠乏すると、グルタチオンペルオキシダーゼの働きが低下し、細胞膜などに生成した過酸化脂質を分解できなくなると考えられます。

セレンは放射線の害も解毒するほどの力があります。

中国の河南省林県で行われたがん予防研究で、ビタミンEやβカロチンとともにセレンが投与されたのも、1つにはこうした理由があるためです。過酸化脂質の分解には、このグルタチオンペルオキシダーゼとともにグルタチオンの存在が欠かせません。グルタチオンは水溶性の低分子物質で、尿酸と同様、それ自身もスーパーオキシドの消去に働きますが、過酸化脂質の分解にもかかわっているのです。

活性型ビタミンB2が過酸化脂質の分解をスムーズにする

グルタチオンペルオキシダーゼが 過酸化脂質を水とアルコールに分解する反応において、グルタチオンは消費され、酸化型グルタチオンとなります。酸化型グルタチオンはそのままではもう使いものになりません。しかし、グルタチオン還元酵素の働きで酸化型グルタチオンは元のグルタチオンに再生され、再び過酸化脂質の分解に働くことができます。
このグルタチオン還元酵素となるのが活性型B2であるFADなのです。

したがって、FADがじゅうぶんに存在しないと、グルタチオン還元酵素の働きが悪くなり、酸化型グルタチオンがふえてきます。この結果、グルタチオンペルオキシダーゼによる過酸化脂質の分解反応がスムーズに運ばなくなり、体内に過酸化脂質をふやすことにつながります。

ビタミンB2それ自体にはC、E、βカロチンのような抗酸化作用はありませんが、このように過酸化脂質の分解を促進するうえで重要な役割を担うのがビタミンB2です。その作用は間接的なものであるため、薬理作用を期待できる摂取の目安を示すことは困難ですが、抗酸化ビタミンとともに、サプリメントなどで横極的にとりたいビタミンの1つです。ビタミンB2を多く含む食品はこちら。

抗酸化ビタミンは、ビタミンC、E、βカロチンの3種類

抗酸化ビタミン、すなわち活性酸素やフリーラジカルを消去する作用のあるビタミンは、C 、E、β カロチンの3種類です(β カロチンは正確にはプロビタミンA で、カロテノイドの一種です。しかし、すでに述べたようにビタミンA の半分をβカロチンからとることが望ましいとされていますので、ビタミンの一種と認識しておいてもいいでしょう)。

ビタミンCは水溶性、Eとβカロチンは脂溶性です。私たちの体には、水の多い場所と 油の多い場所があります。細胞周辺でいえば、細胞膜はデリケートな抽を主成分とする一方、細胞の内や外は水で満たされています。

活性酸素は水の多い場所でも油の多い場所でも発生しますので、ビタミンC、ビタミンE、β カロチンは役割を分担したり、互いに協力し合いながら、神出鬼没の活性酸素やフリーラジカルを効率よく消去しているものと考えられています。

血漿中の活性酸素を即座に消去するビタミンC

ビタミンC はスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素をいずれも消去できますが、最も重要な働きはスーパーオキシドの消去です。

スーパーオキシドと反応する速度をSODと比較すると、ビタミンCのそれは7000分の1 にすぎません。しかし、血漿(血液の液体成分)のようにSOD活性の低いところではビタミンCのスーパーオキシド消去作用が重要な意味を持ちます。

ヒトの血漿をとり、水溶性のラジカルを発生させる実験を行うと、まずビタミンC濃度が急激に低下するのが観察されます。次いでヒリルピン(胆汁色素)、尿酸、ビタミンEの順に消費され、これに伴ってコレステロールや中性脂肪が酸化された結果、過酸化脂質が血漿中に増加しはじめます。この実験からは、血漿などの水に多い場所に活性酸素やフリーラジカルが発生した場合、速やかに消去に働くのあビタミンCであることをよく示しています。

たとえば、たばこを吸って煙りに含まれるスーパーオキシドが肺から血液中に入った際、真っ先に反応して消去するのがビタミンCなのです。

ビタミンCは、副腎、心臓、脳などにも高濃度で含まれます。目の水晶体、角膜、眼房水、網膜などもビタミンCを多く含む組織です。こうした場所ではSODとともにビタミンCがスーパーオキシドの消去に重要な位置を占めているものと考えられます。

ビタミンCは鮮度で含有量が異なる点もしっかり考える必要があります。ビタミンCは、日々の生活の中でどうやったらたくさん摂取できるか?または、どうしたらビタミンCの量を減らさずにすむかを考える必要がありそうです。

細胞膜の酸化の連鎖反応を断ち切るビタミンE

他方、ビタミンEとβ カロチンは油の多い場所で、活性酸素やフリーラジカルの消去に働きます。ビタミンEは、細胞周辺では、細胞膜の表面に突き刺さったような形で存在しています。細胞膜にヒドロキシルラジカルの一撃が加わると、脂質ペルオキシルラジカルが多価不飽和脂肪酸を酸化して過酸化脂質をふやしながら、再び脂質ペルオキシルラジカルが生まれる反応が際限なく進行します。これが細胞膜の自動酸化ですが、ビタミンE は脂質ペルオキシルラジカルにみずからの電子を1個与え、この連鎖反応をくい止めるのです。

電子を与えたビタミンEは、クロマノキシルラジカル(ビタミンE ラジカル) というおだやかなラジカルになりますが、このラジカルで脂質ペルオキシルラジカルをもう1 分子、消去できます。

ビタミンEのこうした働きをさして「連鎖切断型抗酸化物質」あるいは「チェーン・ブレーカー」などと呼ぶこともあります。

脂質ペルオキシルラジカルを2分子消去したところでビタミンEは消費され、抗酸化作用を失います。ところが、このとき、細胞外液にビタミンCが豊富にとけ込んでいると、細胞膜から顔を出している酸化ビタミンEに電子を渡し、ビタミンEを再生することが試験管内実験から推測されているのです。

電子を渡して酸化されたビタミンCが、今度はおだやかなラジカルとなりますが、Cは水溶性ですので、老廃物として速やかに尿中に排泄されます。ビタミンC にはこのようにビタミンEの消費を節減する効果がありますので、Eだけ、Cだけを多く摂取した場合より、EもCも多く摂取した場合のほうがはるかに高い抗酸化作用を期待できるのです。

一方、β カロチンは、細胞膜では内部の深いところに存在し、一重項酸素の消去を得意としています。

活性酸素を除去するスカベンジャー

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スカベンジャーは活性酵素を除去する

空気中の酸素が鉄をサビつかせるように、内因性および外因性の活性酸素やフリーラジカルが体の細胞を攻撃することを「酸化ストレス」と呼んでいます。

私たちの体がいかに休みなく酸化ストレスにさらされているかがよくわかったと思います。それならばなぜ、私たちはきょうにでもがんにならないのか、20代でシワだらけのおばあさんにならないのはなぜなのか、と不思議に思われ方も多いでしょう。

人間の体は進化の過程で、病原体の侵入に備える武器として、活性酸素を身につけました。しかし、それは同時に自分の体をもさいなむ両刃の剣でした。そこで、この剣をおさめる鞘をも備えた動物だけが、進化の中で生き残ってきたのです。

この鞘にあたる物質は活性酸素やフリーラジカルによる酸化を防ぐので「抗酸化物質」と呼ばれます。また、活性酸素やフリーラジカルを消去するので、英語で掃除屋、掃除具を意味する「スカベンジャー」の名でも呼ばれます。

スカベンジャーは抗酸化酵素と酵素以外の低分子物質に大きく分かれます。抗酸化酵素の主なものはスーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどです。一方、酵素以外の抗酸化物質の主なものとして抗酸化ビタミン、ユビキノンやフラボノイドなど一部のビタミン様作用物質、尿酸、ビリルビン(胆汁色素)などがあげられます。

これらのスカベンジャーは互いに密凄な関連を持ちながら、体内に発生する活性酸素やフリーラジカルの消去に働いています。刀の鞘となるこの消去機構がもし存在しなかったと仮定すれば、私たちの体は、みずからの内に発生した活性酸素やフリーラジカルの強力な酸化作用によって切り刻まれ、急速に老化するか、がんなどの病気になって、長くは生きられないに違いありません。

チンパンジーより長生きするのは

スーパーオキシドジスムターゼ(SOD) は名前からもわかるように、スーパーオキシドの消去に働く酵素です。「消去」というと、まるでSODが消しゴムか何かで、スーパーオキシドという書き損じをあとかたもなく消せるかのように思われるかもしれませんが、そう簡単ではありません。

SODははスーパーオキシドの分子を2個集め、電子を2個与えます。電子をもらったスーパーオキシドはフリーラジカルでなくなりますが、この反応から、過酸化水素が1分子生まれるのです。過酸化水素は放っておくと、鉄などと反応してスーパーオキシドよりはるかに障害作用の強力なヒドロキシルラジカルの発生源となります。

しかし、過酸化水素カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼによって、無害な水と酸素に分解されるのです。

カタラーゼなどの協力が前提になりますが、他の活性酸素の発生源となるスーパーオキシドを消去するSODの作用はきわめて重要です。

米国国立老年学研究センターが10種類以上のサルの仲間について、SOD活性を比較したところ、SOD活性の高い種ほど長寿であることが判明しました。同様に、ビタミンE、C、尿酸などの体内量が多い種ほど長寿であることも知られています。女性が男性より長寿である理由の1つがエストロゲンの抗酸化作用にあったように、ヒトがチンパンジーやゴリラより長寿である理由はSODなどの抗酸化物質の活性の高さにあるのです。

スーパーオキシドの消去能力は加齢とともに低下する

スポーツで酸素消費量が高まったときやストレスで胃粘膜の虚血-再灌流が繰り返されるときなど、私たちの体はSOD活性を高めて、大量発生したスーパーオキシドを消去する能力を備えています。ところが、こうした緊急事態への適応能力は40歳前後を境に低下してきます。

スーパーオキシドが体内に充満しても、それを消去するSODの能力が追いつかなくなるのです。こうして活性酸素やフリーラジカルの体内発生量と、スカベンジャーの能力とのバランスがくずれると、坂を転げるように体の老化が加速します。この絆が一気にバランスを失えば、がんや虚血性疾患などの生活習慣病を招くと考えられるわけです。このことは、年をとるほど、酵素以外のスカベンジャーの役割が重要になることを意味しています。

痛風の原因になる尿酸も活性酸素の消去に役立つ

酵素以外のスカベンジャーに尿酸をあげておいたのを妙だと思われた方もおられるかもしれません。尿酸は、肉や卵などに多いプリン体という物質が分解されたもので、ヒトは尿酸を分解する酵素を持たないため、美食をつづける人にしばしば高尿酸血症が見られます。血液中の尿酸がふえるわけですが、この状態がつづくと、尿酸塩というガラスの破片のような結晶が血中にふえ、足の指などの関節にひっかかって炎症を引き起こします。

これが痛風という病気で、尿酸はその原因物質として臨床では確かに悪玉として見られることが多いものです。しかし、尿酸もやっかいな面ばかりではなく、血液などにとけ込んでフリーラジカルを消去し、水溶性のスカベンジャーとしてはビタミンCと並ぶ働きをしているのです。

尿酸はまた、鉄と結合して安定した物質になりますので、過酸化水素から鉄を介してヒドロキシルラジカルが生成するのを防ぎます。また、鉄を介してビタミンC が酸化され、効力を失うのを防ぎますので、体内のビタミンCを節約する役目も果たしています。

痛風は古くから知られていた病気でマケドニアのアレキサンダー大王も痛風だったといわれます。痛風と伝えられる著名人をあげてみると、ニュートン、フランクリン、ゲーテらは当時としては驚くほど長命な80歳すぎで亡くなっています。

フランス革命で刑死したルイ16世、精神錯乱をきたしたモーパッサンらを除けば、高齢でなお精力的に活動をつづけた人が多いようです。その理由の1つは、尿酸の抗酸化作用に求めることができるものと思われます。しかし、だからといって、体の老化を防ぎ、何歳になっても活動的でいるために、わざわざ痛風になる人はいないでしょう。ビタミンCなどの抗酸化ビタミンを積極的にとる意味がそこにあるのです。

ビタミンC たぷりレシピ一覧 はこちら。

こんなタイプは体内に多くの活性酸素が発生している

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タイオシキンや残留農薬も活性酵素の発生源

活性酸素やフリーラジカルが体内に発生する原因は内因と外因に分けることができます。

内因性の発生源の主な場面として好中球性の炎症、ストレスなとによる虚血-再灌流、エネルギー産生に伴、漏出がありました。

一方、外因性の発生源は、すでにふれた紫外線と発がん物質のほかにも数多くの場面が知られています。最近、注目されている環境ホルモンの問題では、多くの化学物質が、従来考えられていたよりもはるかに微量で体に作用し、内分泌系をかき乱す可能性のあることが指摘されています。

環境庁がリストアップした約70種類の環境ホルモンのうち、筆頭にあがっているのが、ダイオキシンです。ダイオキシンはゴミの焼却過程で生成したり、除草剤に不純物として含まれる毒性の強い化合物で、わが国でも川魚やしじみなどから検出されています。

ダイオキシンの毒性の一部は、その刺激によって体内に多量のフリーラジカルを発生させ、細胞膜の自動酸化を引き起こし、細胞を壊死に至らしめることによるものと考えられています。

農薬では、除草剤のパラコートなどがフリーラジカルの発生源となります。日光の紫外線はその刺激で生物の体内に活性酸素やフリーラジカルを発生させますが、その日光をさんさんと浴びている植物が枯れないのは、抗酸化ビタミンやフラボノイドなどの抗酸化物質を豊富に蓄えているからです。

しかし、なんらかの原因で活性酸素やフリーラジカルの発生量が著しくふえると、抗酸化物質による防御システムが破綻し、その植物はたちまち枯れます。パラコートは多量のフリーラジカルを発生させて雑草を枯らしたのち、土にふれると不活性な形になり、すぐに作物を植えつけることができるため、すぐれた除草剤として広く利用されているのです。

このパラコートを吸い込んだり、野菜などの残留農薬を口にすれば、当然、体内でもフリーラジカルが発生します。四塩化炭素は米国では大麦、とうもろこしなどの穀物の収穫後に殺虫剤として燻蒸される農薬の一種ですが、わが国ではドライクリーニング液の成分などとして使用されます。この四塩化炭素も体内に入るとフリーラジカルの発生源となり、主に肝機能を障害して脂肪肝などを招くことが知られています。

フリーラジカルが酸性雨を降らせる

都会に見られる大気汚染物質の中には、フリーラジカルの発生源となり、またそれ自身もフリーラジカルとして作用するものが多く含まれています。自動車の排気ガス、ことにディーゼルエンジンから排出される排気ガスは一酸化窒素、二酸化窒素、オゾンなどのフリーラジカルやラジカルの発生源となる物質を多量に含んでいます。

一酸化窒素や二酸化窒素は細胞膜の多価不飽和脂肪酸から電子を引き抜き、自動酸化を引き起こして細胞を傷めつけることが知られています。

これらは呼吸によって肺にとり込まれますので、肺気腫や気管支ゼンソクなど、主に肺や気管支にダメージを与えます。

地球の上空ではまた、酸素と水素から過酸化水素が発生しています。これ自体は自然現象ですが、オゾン層が薄くなったおかげで紫外線の影響が強まり、過酸化水素が紫外線で分解され、ヒドロキシルラジカルの発生量がふえています。工場の煤煙や自動車の排気ガスに含まれる一酸化窒素や二酸化窒素、亜硫酸ガスが上空に上り、ヒドロキシルラジカルと反応すると、硝酸や硫酸ができます。これらが問題の酸性雨となって地上に降り注いでいるのです。

ダイオキシンについてはこちら。

女性が男性より長生きなのは

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体の老化や寿命にも深くかかわる活性酵素

古代中国を統一し、万里の長城を築いた秦の始皇帝が不老不死の霊薬を探し求めたのは有名な話です。始皇帝は霊薬を手に入れることなく死にましたが、現代医学が老化のメカニズムに解明のメスを入れた結果、老化の速度をゆるめる効果を抗酸化ビタミンに期待できることが胡らかになってきました。

普通は、体が老化し、やがて寿命を迎えるのは生物の宿命のようなものだと考えます。現代医学にも、生物の遺伝子にはあらかじめ老化の過程や寿命がプログラムされているとい、孝え方があります。

しかし他方、同じ年齢でもやけに早く老け込む人と、若々しくはつらつとした人がいるところを見ると、老化は生活環境や生活習慣に大いに影響されるのでは?とも考えらるかもしれません。

現代医学にも、生命活動を営む中で、細胞に分子レベルのさまざまな障害が蓄積した結果、老化が促進されるとい、孝え方があります。老化プログラム説と分子障害説はけっして対立するものではなく、遺伝的要因と環境的要因の相互作用によって、体の老化が生じると見るのが妥当でしょう。そのいずれの要因にも、活性酸素やフリーラジカルが輝く関係しているのです。

呼吸でとり込んだ酸素の%が活性酸素となる

活性酸素は病原体の侵入から動物が身を守るために備えた有力な武器であるということでした。その武器が細菌などを殺す場面で用いられるだけならば、なんの問題もなかったのですが、残念ながら、好中球やマクロファージによる炎症が別の場面でも おこり、虚血-再灌流においても合戦酸素が洪水のように発生して、生活習慣病の原因となっていることを見てきました。

好中球性炎症と虚血-再灌流以外に、私たちの体内で活性酸素が絶えず発生している場面が実はもう1つあるのです。私たちは生命活動を営む限り、酸素を呼吸しつづけています。酸素がなぜ必要かといえば、私たちの体をつくる細胞が、栄養をエネルギーに変える際の化学反応に酸素を利用しているからです。この化学反応、すなわちエネルギー代謝が行われるのは細胞内のミトコンドリアという小器官ですが、その代謝の過程で、とり込んだ酸素の一部がスーパーオキシドに化けてしまうのです。スーパーオキシドからは過酸化水素が生成され、過酸化水素からは毒性の強いヒドロキシルラジカルが生成されます。呼吸によて取り込んだ酸素のうちスーパーオキシドに化けるのは、ほんの1~2%と言われます。しかし、ある試算によれあ1日に併記1kgの酸素を呼吸しています。1年でおよそ368kgにもなり、80年生きる間には30トン近い酸素を消費します。

少なめに見積もって、その1%がスーパーオキシドに化けたと仮定しても、私たちの体はエネルギー代謝の場面だけで、一生の問に約294kgのスーパーオキシドの攻撃にさらされている計算になるのです。

好中球性炎症や虚血-再港流の場面にくらべ、一度に発生する量はわずかでも、このように絶えず発生しつづける活性酸素が体をゆっくりと老化させてゆくことは想像に難くありません。生命活動の根幹ともいうべきエネルギー代謝から活性酸素が細胞の内外に漏れ出し、老化を促進することを考えると、老化には確かに生物の宿命といえる側面があるようです。

女性は男性より活性酸素の体内発生量が少ない

わが国では女性が男性より約6歳長生きですが、他の国々を見ても、例外なく女性のほうが長寿です。私たちが生きている限り、体内では絶えずエネルギーが消費されています。暑くも寒くもない部屋で、ただ横になって安静にしているときでも、私たちの体は1日1200~1400kcalのエネルギーを消費します。

生命活動を維持するのに必要なこの最小限のエネルギー量を「基礎代謝」と呼んでいます。基礎代謝はその人の体の表面積におよそ比例しますので、平均的に見れば男性より小柄な女性のほうが基礎代謝は低くなります。つまり、女性は男性より少ないエネルギー消費で生活しているわけで、このため、一生の間に体内に発生する活性酸素の畳も少なくてすみます。このことが男性より体の老化のスピードを遅らせ、女性を長寿にしていると考えられるのです。

もう1つは性ホルモンの差です。女性の体内ではエストロゲン(女性ホルモン) が分泌され、ことに閉経を迎えるまでは血中濃度の高い状態がつづきます。このエストロゲンには抗酸化作用、すなわち活性酸素などを消去する作用が認められます。

女性の体は基礎代謝が低いだけでなく、エストロゲンの抗酸化作用のおかげで、活性酸素による障害を男性ほど受けずにすむのです。さらに、女性は鉄の体内貯蔵量が少ないことも、活性酸素の発生を抑制することにつながっています。女性が男性より長寿であるという事実は、活性酸素の体内発生量を低く抑え、発生した活性簡素を速やかに消去することが老化を防ぎ、長生きにつながる1つの有力な証拠といえます。

活性酸素は皮膚や目の老化もすすめてしまう

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コラーゲンの織物が肌の張りを保っている

動脈硬化が血管の老化なら、シワやシミ、かさつきなどは皮膚にあらわれる老化です。こうした肌の老化も活性酸素やフリーラジカルが原因であることがわかってきました。

皮膚は外側から、表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれます。

表皮は表皮細胞がれんがのようにぎっしり積み重なった厚さ0.1~0.3cmほどの薄い層です。表皮は一生を通じて、約28日の周期でターンオーバー(再生) を繰返しています。

古くなった表皮細胞は、新しくできた表皮細胞に押し上げられるようにして、垢となってはがれ落ちます。

一方、真皮はその10倍ほどの厚い層で、コラーゲンなどのタンパク質あの線維が、美しい織物のように編まれ、肌に張りを与えています。コラーゲンの織物のすき問は、ヒアルロン酸という成分で埋められています。ヒアルロン酸は糖が鎖のようにつながったもので、わずか1グラムで6リットルの水をかかえ込める保湿成分として、肌にうるおいを与えます。冬の肌がかさかさする時期にコラーゲンを摂ると肌がみずみずしくなるのはこのためです。

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肌のシワやかさつきの原因は紫外線UV-A

この真皮に多量の活性酸素やフリーラジカルが発生すると、真皮の構造が乱れてきます。コラーゲンの豊かさが減り、「架橋結合」といって織物の編み目が飛んだりゆるんだりします。

ヒアルロン酸の糖鎖もずたずたに切断され、保水力が失われます。表皮が絶えず再生されているにもかかわらず、年齢を重ねると、肌のシワがふえ、かさついてくるのは、このように活性酸素などの悪さによって真皮が変性してくるためです。その真皮に活性酸素が発生する原因として、最も重視されているのが紫外線なのです。

紫外線は地表に届く太陽光線の中で波長が最も短く、約5%を占める光線で、波長の短いほうから、UV-C、UV -B、UV IAに分かれます。このうちUV ICは大気圏の外にあるオゾン層にさえぎられ、地表に届きませんが、UV-BとU VーAは絶えず地表に降り注ぎ、UVーBは表皮まで届きます。UV-Aはさらに深く真皮まで達して皮膚の老化を促進するのです。

皮膚への障害作用が強いUV-Bが増加している

夏のよく晴れた日に「虫干し」といって、衣類や本を日に当てる昔からの習慣がありますが、この虫干しは紫外線の強力な殺菌作用を無意識に利用したものといえます。

紫外線はその刺激によって小さな虫の体内にフリーラジカルを発生させ、虫をを殺すのです。オゾン層はこのような紫外線の毒性から地球上の生物を守る役目をしてきましたが、近年はその破壊が進み、日本上空のオゾン層も薄くなりつつあることが環境白書などで指摘されています。

従来は地表に届く紫外線の1割がUV-B、9割がUV-Aといわれてきましたが、オゾン層の破壊に伴い、地表に降り注ぐUV-B量の増加が問題となっています。UV-Bは表皮までしか届かないものの、皮膚への障害作用はUV-Aの1000倍以上とされます。

夏の海水浴などで肌をやくと、皮膚がやけどのように真っ赤にはれ上がることがありますが、これはUV-Bの刺激で表皮に発生した一重項酸素などによる皮膚の炎症です。

紫外線を実験的に皮膚に照射すると、照射した時間に比例して、皮膚に過酸化脂質がふえてきます。

これは皮膚に発生した一重項酸素などの活性酸素やフリーラジカルによって、表皮細胞の膜が酸化される証拠です。UV-Bはこのように、肌に過酸化脂質をふやし、シミをつくる原因になります。

熱帯魚がカラフルな理由

UV-Bの障害作用はこれにとどまらず、長年浴びつづける間には表皮細胞の遺伝子に損傷を与え、皮膚がんの原因となります。こうした障害を防ぐため、表皮の底のほうにある色素細胞(メラノサイト) でつくられるのが、メラニンです。

メラニンは肌をこんがり黒く見せる色素で、紫外線をよく吸収し、紫外線の刺激で発生したフリーラジカルの消去に働いているのです。熱帯魚は不思議とどれも青や赤などのカラフルな色素を身にまとっていますが、あの色素にも活性酸素やフリーラジカルを消去する作用があるのです。長い進化の過程で、強烈な紫外線から身を守る色素を表皮に持った魚だけが、熱帯の海で生き残ることができたのです。

ヒトの皮膚に沈着するメラニンは熱帯魚のカラフルな色にあたるもので、UV-Bの強力な障害作用から表皮細胞を保護しています。表皮のメラニンの量は黒人、黄色人種、白人の順に減りますが、皮膚がんの発生率は白人に非常に多く、黒人にはまれなことが知られています。

黄色人種である日本人も60~70歳になると、皮膚がんの前がん状態とされる日光角化症が高い率で発生していますので、紫外線にはじゅうぶんな注意が必要です。

スキー場で目がちかちかするのも活性酸素が原因

夏の砂浜やプールサイドで、人々が甲ら干しをする光景をよく見かけます。最近は冬でもサンタンルームを利用して人工の紫外線を浴び、小麦色の肌を自慢している人たちがいますが、

このように自分から進んで紫外線を浴びることは、体内の活性酸素発生量をふやす、自殺行為に等しいといえるかもしれません。

夏の海水浴などでは、紫外線の侵入を防ぐサンスクリーン(日やけ止めの乳液など) で紫外線から肌を守ることが大切です。

肌で注意した3つのトラブル(日焼け)

一方、冬のスキー場でサングラスやゴーグルをかけずにいると、目が充血し、チカチカしてあけていられない症状があらわれます。これは「雪眼炎」と呼ばれ、雪原に反射する紫外線の刺激で日の水晶体(レンズ状の組織)に発生した活性酸素の障害作用によるものです。雪眼炎は一時的な症状ですみますが、紫外線で目を長年傷めつづけると、水晶体を形づくるタンパク質線維やヒアルロン酸がダメージを受けます。

皮膚に見られる老化が日にも起こるわけですが、損傷がひどくなると、水晶体が白濁して視力が著しく低下する「老人性白内障」を招きます。

紫外線の強い日の外出にはサングラスをかけるなどして目を保護することがたいせつですが、日に発生した活性酸素を消去するには、抗酸化ビタミンを含む目薬をさすことも有効と思われます。抗酸化ビタミンはまた、サプリメントとして摂取した場合にも、血液によって皮膚や目に運ばれ、活性酸素の消去に働くと考えられます。

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動脈硬化を進行させるのはLDLではなく活性酸素

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動脈硬化が原因で死亡する人はがんより多い

「人は血管から老いる」といわれます。しなやかで弾力に宵む血管は加齢とともにかたく変性し、血管壁が厚くなって内腔を狭くします。

このような血管の老化現象を「動脈硬化」と呼んでいます。ことに問題なのは、動脈壁に酸化した脂肪などが沈着してこぶをつくり、内腔にせり出す場合です。このこぶは切開すると卵粥のように黄色く見えるので「粥状硬化」と呼ばれます。

粥状硬化が起こりやすいのは、心臓の冠動脈、脳動脈など、大動脈や中動脈です。粥状硬化によって狭まった冠動脈に血栓などが詰まれば心筋梗塞に、脳動脈に詰まれば脳梗塞になります。

現在、日本人の死因は第2位が脳卒中、第2位が心臓病ですが、心筋梗塞と脳梗塞を合わせた虚血性疾患の死亡数は、第1位のがんをも上回ります。その意味では、これらの虚血性疾患の温床となる動脈硬化は、がんよりもむしろ恐ろしい病気といえるかもしれません。

LDLは酸化しなければ、悪玉ではない

動脈硬化の原因といえば、コレステロールを思い浮かべる人が多いはずです。中には悪玉コレステロールとされるLDLコレステロールの値を健康診断のたびに気に病み、卵などを控えているかたもおられるかもしれません。そう認識するのは、専門医が熱心にそう訴えてきたからです。しかし、その専門医がいまや動脈硬化の原因はコレステロールばかりでなく、血液中に発生する活性酸素やフリーラジカルにあると認識を改 めつつあるのです。

コレステロールは油ですから、血液にとけません。このため、血液中ではLDL(低比重リポタンパク)やHDL (高比重リポタンパク) と呼ばれるタンカーの積み荷になって運ばれます。

HDLはコレステロールを全身の組織から肝臓へ運び込むタンカー、LDLは逆に全身の組織へとコレステロールを運び出すタンカーです。このため、HDLは動脈硬化を防ぐ善玉、LDLは悪玉と考えられてきました。しかし、LDLは全身の組織が必要としているコレステロールを届ける役目をするのですから、本来、悪玉ではないのです。

悪玉(LDL)と善玉(HDL)
https://health-memo.com/2012/03/18/hello-world/

酸化されたLDLを白血球が食べつづける

問題はこのタンカーが航海の途中で活性酸素という海賊に襲われ、酸化された場合で、船体はサビつき、積み荷の抽は過酸化脂質に化けてしまいます。

全身の組織にはLDLを認識してとり込むためのレセプター(受容体)がありますが、酸化されたLDLはレセプターに、もはや認識されず、組織にとり込まれることなく、血液中を漂流し始めます。やがて動脈壁に漂着したこの難破船を解体、収容するため、白血球のマクロファージが集まります。マクロファージは酸化されたLDLを異物として食べ始めますが、酸化LD Lの量が多いと、食べすぎでパンパンにふくれ、身動きとれなくなります。マクロファージのこのあわれな姿を「泡沫細胞」と呼んでいます。動脈硬化の初期には、動脈壁のあちこちに「脂肪斑」という病変が見られます。この脂肪斑とは、酸化LDLを食べた泡沫細胞にほかならないことが、今日では明らかになっています。

動脈硬化が進むほど、血管壁に過酸化脂質がふえる

31~91歳のヒトの大動脈について、粥状硬化の進行度と過酸化脂質の量を調べたデータを見ると、粥状硬化が進行するほど、動脈壁の過酸化脂質量がふえる比例関係が観察されます。

動脈硬化にとって問題なのはLDLレステロール自体ではなく、酸化されたLDLコレステロール(過酸化脂質の一種) であるということです。したがって、血中LDLコレステロールの値が少々高くても、これを酸化する活性酸素やフリーラジカルが血液中に少なければ、泡沫細胞はふえず、動脈硬化が進行することはありません。逆に血中LDLコレステロールが正常値の人でも、血液中の活性酸素が異常にふえた状態がつづけば、動脈硬化を招くおそれがあるわけです。動脈硬化を防ぎ、虚血性疾患を防ぐには、血液中の墓素の発生を抑え、あるいは速やかに消去することが第一なのです。