同定力が強いのに動きやすい
ひざサポーターの役割として重要なのは、ひざ関節を固定する機能です。前の記事で述べたように、ひざサポーターには、ひざに巻きつける「巻くタイプ」と、筒状の「はくタイプ」の2種類があります。
ひざに水がたまる人は、ひざに水がたまりにくくなるうえ、歩行時にひざがぐらつきにくい、固定力の強い巻くタイプがおすすめです。巻くタイプは、はくタイプよりひざの動きは制限されますが、安定感が得られます。そのため、水がたまるのを防ぐばかりでなく、体のバランスが安定して転倒しにくいことも明らかになっています。
しかし、巻くタイプは、ゴワゴワしていて着け心地が悪い、締めつけが強く動きにくい、厚手でズボンの下に着けられないなどという理由から、長時問の着用には向かないものが多かったのです。そのため、ひざが痛くてもひざサポーターの使用をやめてしまう人がおおぜいいました。
ひざサポーターは、ひざの固走力だけでなく、着けても動きやすい着け心地のよさも重要になってくるのです。ひざ痛の患者さんの関節や筋肉についての研究をいかして、新しいひざサポーターを開発してきました。その1つが、巻くタイプの「ひざ巻きサポーター」です。ひざ巻きサポーターは、着け心地のよさを追求して素材選びにこだわり、高品質の伸縮素材を使用しました。
その結果、ひざの固定力を低下させずに、ひざを曲げ伸ばししやすく、着用感に優れたサポーターができたのです。生地も薄手なので、服の上から目立ちにくく、着けてもゴワゴワしません。
巻きつけ方にも工夫がこらされています。上下についている着脱ベルトは逆方向に締める作りになっているので、どんな動き方をしてもサボ」ターがゆるみにくく、ひざのぐらつきをしっかり防いでくれるのです。また、左右両わきに特殊な樹脂製のバネが内蔵されており、これがひざの横方向のプレを防ぎます。
さらに、バネの反発力が足を前に出しやすくし、スムーズな歩行を助けます。なお、肌に当たる裏地は、蓄熱保温作用のある特殊素材を採用しているので、ひざの周囲を温かい状態に保ってくれます。洗濯をくり返しても伸び縮みしにくいので、いつも清潔に使用できます。ひざに水がたまっている人は、水を抜く治療の前に、ひざ巻きサポーターを一度使ってみてはいかがでしょうか。
コメント