ひざの水はむやみに抜かないほうがいい

どんなに水を抜いてもまた、繰り返したまってしまう

ひざに水(関節液)がたまれば抜く...。これを当たり前のことと思っている人が多いようですが、じつはは違います。

従来の治療では、ひざに水がたまると、関節内の水を抜いて炎症止めの注射液(ヒアルロン酸やステロイド) を注射する方法が主流で、現在も多くの病医院がこの方法をとっています。

確かに、水を抜くとそれまで伸びていた関節包(関節全体を覆う膜) がもとに戻るため、痛みが引いていく場合が多いのです。しかし、炎症が治まらないかぎり、水はまたすぐにたまってきます。

水を抜くという行為は根本的な治療ではないため、いくら水を抜いても、くり返し水がたまってきてしまうのです。さらに、ひざの水を抜くためには、関節に注射針を指す必要があります。ところが、無菌状態である関節内に注射針を刺すことは、感染症の危険性も高めます。あえてこうしたリスクをおかしながらひざの水を抜く必要はないのです。

そこで、痛風や偽痛風などによる炎症で熟を持っていたり、ひざの水が混濁していたり、水がたまりすぎて夜も眠れないような強い痛みがあったりする場合を除いては、関節から水を抜かないようにしています。

ひざの水は関節内の修復を早める

そもそも、ひざの水と呼ばれている関節液は、関節包の内側に背広の裏地のよ絹強状態で存在する滑膜から分泌されており、骨の先端の軟骨に栄養を与える役割を果たしています。また、関節をスムーズに動かす潤滑油のような働きもしています。

皮膚の場合、以前は傷ができると消毒して乾かすことで早く治ると考えられていました。ところが、傷の浸出液には傷を治す材料である線維芽細胞(コラーゲンなどを生成する細胞) などが含まれており、これをむやみに取り去ると傷の治りが遅くなることがわかってきたのです。

そのため、傷の手当てをするときは、細菌に感染lしていない場合は、傷口に密着せずに密閉できるもの(被覆材)で覆うようにして、傷口を乾燥させないようにするのが主流になっています。

関節内に水がたまるのも、関節内の傷のために分泌していると考えれば、むやみに水を取り去るのはよくないということがおわかりいただけると思います。

むしろ、水を抜かないことで、関節内の傷の修復が早まって、ひざの痛みが早期に軽くなることが期待できるのです。水を抜かないといっても、もちろん、何もせずに放っておいていいとい、りことではありません。

食事や体重管理も重要

ひざの痛みを訴える方には、ひざ関節だけではなく、関節の周囲や全身のさまざまなトラブルもあわせて対処するようにしています。そうすることで、ひざの水がたまるのを防ぐことにも役立つのです。

具体的にはひとりひとりの症状に合わせて、漢方薬を処方したり、良質なたんばく質やビタミンB、C、亜鉛、鉄分など、その人に不足している栄養素を見つけ出して、摂取するようにすすめたりしています。

また、AKA博田法という徒手療法(素手で行う治療)を行ったり、関節に対する理学療法なども行ったりしています。

AKA博田法とは、機能障害を起こした関節を関節運動学に基づく方法で正常に動くようにして、痛みやしびれなどどを改善する方法ですが、ひざ関節の水に対しても、仙腸関節を刺激することで極めて効果的に軽減します。

理学療法では、股関節やひざ関節を中心とした療法で、ひざ関節にかかる負担を減らすようにしています。

ひざ痛は、ひざの関節周囲の筋肉や勒帯、関節包などの組織の損傷や拘縮(硬くなること)などが関係tています。

これらを柔軟にするだけでも、ひざへの負担は軽くなるものです。こうした治療をあわせて行えば、ひざの水を抜かなくてもひざ痛が改善します。また、患者さんには、ふだんから暴飲暴食に気をつけて栄養バランスの取れた食事を取り、体重管理を行って、ひざに負担のかからない生活を送るよう指導しています。まずは、こうした生活習慣の改善によって、ひざに水がたまりにくくするよう心がけましょう。

水がたまるのを防ぐためにはひざサポーターも有用で履くタイプより巻くタイプがベター