沸騰による水の変化

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トリハロメタンによる危険性が指摘される水道水も、水をヤカンに入れて一定時間沸騰させれば安全になるという人がいます。
それをわざわざ実演して見せているテレビ番組もありました。確かによく沸騰させることで、水道水に含まれる塩素が揮発してカルキ臭がなくなりますし、トリハロメタンなど揮発性の物質も少なくなります。しかし、水道水にはトリハロメタン以外にもタロロ酢酸類、クロラール類、クロロアセトン類、クロロアセトニトリルなど、さまざまな有機化合物が含まれています。中でもクロロ酢酸類は発ガン性が認められている物質です。
このクロロ酢酸類はトリハロメタンよりも沸点が高く、沸騰させても減らないばかりか、蒸発によって水が減った分、かえってその濃度が高くなってしまうのです。そればかりか、水道水は沸騰させることによって水の中の炭酸ガスが抜けて味がまずくなり、またカルシウムやマグネシウム、ナトリウムなど大事なミネラル分が失われたり、変質したりします。しかも塩素が抜けて七まった水道水は、雑菌に対する抵抗力がありませんから、早めに飲まないと雑菌が繁殖してしまいます。そうした意味で、水道水を沸騰させる方法は、おいしさや安全性、要する手間の面から見てもおすすめできません。もうひとつ、一般家庭に浸透している方法として「備長炭を入れる」などの炭を活用するというものがあります。これは備長炭の持つ、さまざまな不純物を吸着する性質を利用して、水道水を浄化しょうとするものです。実際に備長炭を汚水の浄化に用いている施設もあるくらいですから、この方法もヤカンで沸騰させるのと同様に、水道水のカルキ臭を取るのには効果があります。

しかし、備長炭は雑菌を含む有機物全般を除去できるわけではありませんし、塩素の除去効果を高めようと長時間置いたままにすれば、湯ざましの水と同じようにかえって雑菌が増える危険性もあるのです。水道水をまずくしている最大の理由は塩素ですから、沸騰したり備長炭を入れてカルキ臭を抜いた水を飲むと「おいしくなった」と感じることでしょう。しかし「おいしくなったから安全になったとはいえない」ということをお忘れなく。

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