小腸で消化・吸収されないため血糖値を緩やかに上昇させる「難消化性でんぷん」

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消化されにくいでんぷんが糖尿病の救世主

普段食べる、ごはん、パン、麺類などの主食となる主成分はでんぷん。これらを「太りそう」「血糖値を上げそう」とイメージしている人も多いのでは? じつは、これらの食品に含まれるでんぷんも性質に違いがあることがわかってきたのです。

近年の研究で「でんぷん」には、

  1. 消化・吸収のいい性質を持つでんぷん
  2. 消化・吸収されにくい性質を持つでんぷん

があることがわかったのです。2のでんぷんは、消化・吸収さ
れにくい性質から、「難消化性でんぷん」またはレジスタント・スターチ」と言われます。

現在、この難消化性でんぷんが、糖尿病や肥満、メタポリックシンドロームの人の食事療法に役立つと注目を浴びているのです。この難消化性でんぷんとは、どのようなものなのでしょう?

通常、口から入ったデンプンは、胃から小腸に入り、小腸で分解・吸収されます。しかし、難消化性でんぷんは、小腸で分解されません。吸収も抑えられます。小腸で消化されなかった難消化性でんぷんは、大腸に行き、大腸菌によって発酵されて一部が吸収され、残りは便として排出されます。

専門的なことは省きますが、でんぷんにはいろいろな種類があり、化学的な構造も違います。その構造によって消化酵素の影響を受けにくく、分解されにくいものがあることがわかったのです。

血糖を緩やかに上昇させる

消化のいいデンプンを食べると、砂糖をとったときと同じように血糖値はすぐにはね上がります。しかし、難消化性でんぷんは血糖値をゆっくりと上昇させます。糖尿病で膵臓からインスリンが出にくい人は、高血糖を引き起こさずにすむので、非常に適しているというわけです。

また、同じでんぷんでも消化のいいでんぷんより、この難消化性でんぷんのほうが血糖を上げにくいので、お腹いっぱい食べられるというわけです。

難消化性でんぷんは食物繊維と非常に似た働きを持っています。食物繊維も小腸で分解・吸収されることなく、大腸に行き、便として排出されます。糖尿病の人は血糖値を上げにくいという理由から、食物繊維を多くとるようすすめられます。

ほとんどのでんぷん食品には消化されやすいでんぷんと難消化性でんぷんがの両方が含まれています。食品の選び方次第で難消化性でんぷんの割合を高めることができるのです。

ごはん(白米)と比べれば難消化性でんぷんは、ごはんのほうに多く含まれます。完全に精製した白米よりも五分づきや七分づき、玄米、雑穀米などのようにすべてを精製していないもののほうに難消化性でんぷんは多く含まれます。

パンも同様で精製した小麦粉で作った白いパンよりライ麦、玄米など精製していない素材で作ったものを選ぶほうが難消化性でんぷんは多く含まれます。

こうした玄米やライ麦パンのほうが必要な食物繊維やミネラルもたくさん摂取できます。麺類では、ラーメンよりもそば、そして意外ですが、パスタのほうがおすすめです。


日本人の成人が1日に必要なエネルギーは、1500~200kcalですがその半分以上をお米からとってきました。米はパンに比べると難消化性でんぷんの割合が高いでんぷんです。

米を主食としていた頃の日本人は今ほど糖尿病やメタボリックシンドロームは多くありませんでした。食の欧米化というのは弊害のほうが大きいのです。

外食の多いビジネスマンの場合、イタリアを食べるときのポイント8項目、これで血糖値が上がらない
などを参考にするといいでしょう。消化されやすいでんぷんをとるときは野菜などの食物繊維を組み合わせるのがポイントです。

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