女性の頭痛といえば、やはり生理と関係していることがとても多く生理中のストレス症状のひとつになっています。
普段はそれほど目立っていなくても、女性は生理の前や生理中に頭痛がひどくなって、生理の終わりとともに頭痛がひいていく。生理期間中だけとはいえ、毎日そんな状態であれば憂うつなものでしょう。
もちろん、生理のある女性すべてに頭痛があるわけではないのだが、頭痛のある人にとっては大きな問題で、何か良い方法がないものかと悩んでいます。
それは、生理がさまざまな症状の引き金となるためで、頭痛のほかにも腹痛、下痢、便秘、気分のイライラなどがある。一般には軽い症状が多いのだが、それでもこういった症状が強くあらわれる人にとっては、悩みは深刻です。
Aさんという30代の小柄な女性についてです。彼女の症状を聞くと、偏頭痛だけでなく、生理の時の出血が多く、1年前に子供を産んでからはこめかみにも強い痛みがあるそうです。
普段から疲れやすく、夜はときどき眠れないことがあり、朝はやる気が出ない、典型的な気虚型の状態です。これは、胃腸や呼吸器系が虚弱で、低血圧タイプの力不足の体質なのだが、Aさんは、出産後にこれがひどくなってしまったそうです。
女性の一生には生理、出産、閉経という大きな作業があるので、瘀血(おけつ)が関与しているのではないかと考えます。これに、漢方でいう気や水の要素がどのようにからんで現在の病態があるかをとらえ、分析することが大切です。
Aさんには、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を合わせて処方してみました。
2週間後に来院したときには、肩こりは良くなっていたが頭痛についてはそれほど変化が見られませんでした。生理の量も相変わらず多かった。しかし、その後は頭痛の程度が軽くなり、痛み止めの薬をのむこともだいぶ減っているようです。