糖尿病 の2017年の調査結果によると、患者数は328万9,000人(男性184万8,000人、女性144万2,000人)となり、前回(2014年)調査の316万6,000人から12万3,000人増えて、過去最高となってしまいました。
糖尿病 の多くは、自覚症状がなく自覚症状がでてきた頃には重い合併症に苦しむというのがおきまりです。
現在、 ヘモグロビンA1C 9.0以上の方は本腰を入れて 血糖値 や ヘモグロビンA1C を下げる努力をしましょう。

糖尿病 とは
私たちは、生きるためのエネルギー源として、食事から糖質を体に取り込みます。この糖質が消化されて作られたものがブドウ糖。
糖尿病 とは、このブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血液中に増え過ぎて濃度(血糖値)が常に高い状態になる病気です。
ブドウ糖が増え過ぎてしまうのは、さまざまな要因によって、ブドウ糖の血中量の調整機能を受け持つインスリンの働きが悪くなるからです。
インスリンは、体の中で血糖値を下げる唯一のホルモンで、食後の血糖値が上がらないように調節し、ブドウ糖が過剰に増加するのを抑える働きを担っています。
「血糖値が高くなる」状態は、このインスリンが正常に働かないために起こるのです。
糖尿病 進行の順番
- 食生活の乱れ
- インスリン不足または作用低下
- 血糖値が高い状態が続く
- 糖尿病発症
糖尿病の種類 4種類
- 1型 免疫異常などによりインスリンが正常に分泌されず発症する。全体の 3 % 。15 歳以下の子供に多いのが特徴。遺伝性はなく突然発症する。
- 2型 肥満、運動不足、生活習慣、ストレス、遺伝などによりインスリンが正常に働かず発症する。全体の 95 % と多い。
- 特定要因 遺伝子や甲状腺などの異常、膵臓や肝臓などの病気、薬剤や化学物質によるもの、感染症などが原因で糖尿病になることもある。
- 妊娠糖尿病 妊娠中、子宮内に作られる胎盤からインスリンを破壊する物質や、血糖値を上げるホルモンが分泌されて起こる。ほとんどが一時的なもの。
糖尿病 を引き寄せる原因
糖尿病 を発症する原因には、遺伝や加齢などもありますが、糖尿病患者全体の約 95 % が、
の 3 つを要因として挙げています。これらの要因が重なり合って、発症の可能性がアップします。
食生活では、 過食 偏食 過度の飲酒 などによる 糖質の過剰摂取 が血糖値を高くします。特に肥満の人は要注意です。
また車生活やデスクワークの増加が運動不足の人を増やしています。運動不足は、食事で摂取した糖質に対して、消費エネルギーが少ないため高血糖をもたらします。
生活習慣では、喫煙、睡眠不足、過労、ストレスなどの悪習慣や環境などがインスリンの働きを悪くし、結果的に血糖値を上げてしまいます。自分の生活に心当たりがないかチェックしてみましょう。
糖尿病 の3つの要因
- 生活習慣
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- 食生活
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- 通勤に車を使う車生活
- デスクワークの増加
- エスカレーター、エレベーターの使用
- スポーツを行わない
糖尿病 は血糖コントロールでふせげる
糖尿病 は原因によって4 つのタイプに分類されますが、日本人の糖尿病患者の 95 % 以上が 「 2型糖尿病 」 に属します。インスリンが正常に働かないために発症する 2型糖尿病 をふせぐには、血糖コントロールが最も重要。
適切な食生活や運動習慣を続け、悪しき生活習慣を改善すれば、インスリンの働きが回復して、血糖値は必ず正常域に戻ります。
以前、 糖尿病 の治療は、 1 日の全体的な血糖値を下げることに主眼がおかれていましたが、現在は、 「 食後血糖値の急上昇 」 を抑えることに主眼が移りました。血糖値は1 日の内で常に変動していますが、糖尿病患者は食後血糖値の上昇率が高く、なかなか下がらないのが特徴。食後血糖値の急上昇をふせぐことで、終日の血糖コントロールもしやすくなると考えられているのです。
食生活の改善ポイント
糖尿病の食事療法は、ストイックな印象がありませんか?実は 糖尿病患者 や 予備群 の人が、高血糖を回復する目的で行う食事療法には、食べてはいけない食品はほとんどありません。
食生活の基本となるのは、 「 1 日の適正なエネルギー摂取量を守る 栄養バランスをよくする 毎日続ける 」の 3 点だけです。また、野菜から食べる、糖質をとりすぎない、ドカ食いをしない、よく噛んで腹八分目にする、などの食後血糖値の急上昇をふせぐ食べ方も心がけましょう