睡眠時間は、7 〜 8時間がちょうどよいとされます。夜 11 時に寝て、朝 6 時に起きるのが理想で、睡眠不足だったり、逆に寝過ぎても糖尿病になる確率が上がってしまいます。
シカゴ大学の研究によると、糖尿病とは無関係の 11 人の健康な若い男性に、 1 週間研究室で生活してもらい、 6 日間続けて睡眠時間を 4 時間に制限したところ、 1 週間後には細胞の機能が衰え、 60 歳の人のようになり、糖尿病の初期のような状態になってしまったそうです。
また、日本大学が約 2 万 3000 人の健康データを分析した結果では、糖尿病患者の睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満の場合が最も少なく、 6 時間未満や 8 時間以上の人数は 3 倍から 5 倍になったとの報告があります。
睡眠不足や寝過ぎが続くと糖尿病になる確率が上がる理由は、体内時計が狂い自律神経が乱れるためです。
私たちの体には、目の裏に時計遺伝子を働かせるスイッチのようなものがあり、太陽の動きに合わせて体を対応させるシステムが備わっています。それが、睡眠不足、寝過ぎにより狂ってしまうことで、自律神経のバランスを崩すのです。
具体的には、インスリンの効果が低下してブドウ糖の代謝機能が落ち、血糖値が高くなります。交感神経のホルモン分泌が増加して、血糖、血圧を上げます。それから、食欲を抑えるホルモンの分泌が減り、食欲を促進するホルモンの分泌が増えるので、お腹がすきやすくなり、炭水化物や糖質を異常に欲するようになり、肥満にもつながります。
こうしたリスクを避けるためにも、規則正しくちょうどよい 7 時間睡眠で自律神経を安定させ、ホルモンバランスを整えましょう。そして、日中なるべく日にあたり、体内時計を整えてください。
体内時計が崩れる最たる原因は、光が関係していると考えられています。朝の光が最も強く、網膜へも刺激を与えてくれます。しかし、朝遅くまで寝ていて朝早い時間の光を浴びることができない、夜にずっと起きていて電気の明かりを浴びているという方は網膜から体内時計を整えるための情報が乱れるため、体内時計は崩れると考えられています。
特に、近年は性能の良い遮光カーテンで光をさえぎられてしまったり、静かな環境で休みたいからと窓のない部屋あるいは光の入りにくい部屋を寝室として利用しているなど、朝の光を浴びにくい環境を自らが作り出してしまい、その結果として、脳に朝であることを情報として伝える手段がなくなってしまうため体内時計が崩れてしまうとも考えられています。また、交代勤務の方など昼夜逆転の生活を送られている方も、体内時計は乱れる傾向にあります。
体内時計の乱れを整えるためには、生活習慣を改善することが大切です。体内時計の乱れによる不眠症がよくならない場合には早めに医師に相談することをお勧めします。