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玄米に含まれる自然のビタミンの効力

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朝、目が覚めたときに何となくだるい、ときどき手足の先がしびれる、よく居眠りをする、神経の炎症がある、疲れやすいなどは、ほとんどビタミンB1不足の症状と言っていいでしょう。

ビタミンB12は成長を助ける成分と言われて、発育に不可欠のものです。また、皮膚を美しくするビタミンB6は、グルタミン酸と結合して脳の育成を助ける重要な働きをします。また、毒素を流し、酸化還元作用にも関係します。

さらにニコチン酸(ナイアシン)というビタミンは、ガンを抑制する作用があるのです。このビタミンを抗悪性貧血因子と栄養学者は言いますが、医師から見放されたガン患者が、玄米を食べることで治るのは、玄米の中に薬効成分があるからです。

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ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨格を丈夫にする因子です。この頃、学童生徒の虫歯や骨折が多くなっていますが、歯や骨がもろいのは、白米食や甘いもの、コーラ、ジュース類のとりすぎが原因です。

干物にしても電気乾燥で、天日干しをしないのでビタミンDがない。それを解消するのに、歯をみがいたり運動をすればいいというものではありません。もっと本質的な食生活を改善する以外にないのです。

ビタミンE は、生殖ビタミン、または老化予防ビタミンとして注目されていますが、このビタミンEも玄米には豊富です。ビタミンEは、生殖機能を維持するものですから、欠乏すると生殖細胞の変質で、受胎不能や胎盤に障害ができ、流産の原因となったりします。

逆に不妊症で赤ちゃんができなくて悩んでいる人が、赤ちゃんができたケースも多くあります。十年以上もできない人にできたり、もう十人以上の人が、できないと思った子宝に恵まれています。不妊で悩んでいる人はビタミンEの摂取を積極的に行うことも考えてみてください。

ビタミンFは脂肪代謝に関係が深い因子で、不足すると皮膚がカサカサし、排卵不全、血尿をおこします。以上の成分を豊かに備えもつ玄米はすばらしいと思います。

ビタミンB1だけ強化した強化米を食べても、科学的につくりあげたビタミンB1では、自然の恵みがあふれるものではありません。このいのちの差はどうしようもないのです。

このほかにも、白米の中にほとんどなくなっているミネラル、脂肪、蛋白質が多く含まれており、健脳食や、スタミナ食の第一にあげられる食品なのです。

これらの成分のほかに分析に出てこない未知成分も、自然の食物にはあることを忘れてはならないと思います。

玄米のかわりに白米2合を食べる場合、どのくらいの副食をとらなくてはならないかを考えると、人間の胃袋におさまりきらない量となってしまいます。現実的ではないことがよくわかります。

牛の胃袋でも借りてこないと間に合わないでしょう。だからと言って、不自然な合成のビタミン剤やカルシウム剤に頼っていると、結石や胆石をつくつたり、血管硬化の要因となつたりといろいろな現象が出てきます。

人間は所詮、似たものはつくりますが、いのちを創造することはできないのです。江戸時代以前の日本人は、玄米が主食だったので、重い鎧、兜で飛びまわれるほどのエネルギーをもっていました。

考えさせられることです。逆に、文明病といわれるガンそのほかの慢性病の増加は、農薬や化学肥料潰の白米をはじめとする、食生活の不自然化によっておこることもいなめません。

しかし、玄米にも欠点があります。それはマグネシウムやリンが多く、カルシウムが少ないことです。これを補うために妙りゴマをすってかけて食べます。ゴマは香ばしく、カルシウムやビタミンB群も多く、良質蛋白質・脂肪も豊富で、細胞に活力を与えるので、精神安定の働きをする健脳食です。玄米と必ず抱き合わせに用います。

長続きするおいしい玄米の炊きかた

玄米食をはじめる場合、白米とは炊きかたが違うので、炊きかたがまずいと挫折してしまいます。おいしく炊けた玄米は、ふんわりとしたこくがあり、風味と香りが食欲をそそります。いちばん長続きするのは、圧力鍋で炊く方法です。しかし、上手になるまでには水加減、火加減、時間を研究することが大切です。トライ&エラーを繰り返せば必ず美味しい玄米が食べられます。

圧力鍋の場合土鍋の内鍋を入れて炊く
1合くらいを炊くなら、玄米1カップをサッと洗い、ざるに上げて水をきる。そして玄米と水1.1カップを釜めし用の土鍋に入れ、2~3時間つけておいてから炊きます。
圧力鍋の外鍋には水5カップを入れて火をつけ、沸とうしてきておもりがカタカタと動きはじめ、シューッという音がしてふき上げてきたら火を弱火にして40~50分炊く。そのまま蒸らすだけで、皮まで柔らかなおいしいご飯ができ上がります。
圧力鍋の場合直炊きの場合
玄米だけの場合の水の量は同量から1割増し。雑穀、豆を入れたときは玄米3カップとした場合、水は3.3~3.5カップに3時間くらいつけます(計るときは正確にするために、洗ったら1度ざるにあげる)。
急ぐときは心もち水を多めにします。水加減は新米か古米か、炊く量の多い少ないによっても違いますが、同量から1割増しくらい。炊いてみて好みの炊き方を研究しましょう。
まず、強火で沸とうするまで炊き、おもりが動きはじめたら火を弱め20〜25分炊く。火を止める前に十秒ほど火を強くしてから火を止め、十分おきに蒸気を抜き15分蒸らす。圧力鍋は種類も多く、電気釜なども出まわっています。鍋によって多少違いますから、いろいろ研究しておいしく炊いてください。
おいしく炊くコツは、水加減をきちんと計ることと時間と火加減です。幼児や老人は一度炒ってから同様に炊くと、外の皮も柔らかく食べられます。水加減を増やし、沸とう時間や弱火で炊く時間を長くすると、あっさりめのフワッとしたおいしいご飯が炊けます。
土鍋・鉄鍋・無水鍋の場合
土鍋や厚手の鍋などでもおいしくできます。2.5割増しの水に4~5時問つけてから火にかけ、沸とうするまで強火、あとはとろ火にして水がなくなるまで炊きます。火が強いとポロポロになるので、かたかったら途中水をさしてもかまいません。
水がなくなり、柔らかくなって、穴がプツプツあいたら火を強くして2~3分ほど煮て、きつね色のおこげができるくらいにします。歯が悪い方は一度空妙りしてから2.5~3倍の水で柔らかく炊くと良いでしょう。ふたは重いほうがおいしく炊けます。
電気釜の場合
普通の電気釜でも炊けるのがあります。この場合、半日か1日水につけておくと柔
らかく、ふっくら炊けます。炊くとき、玄米の中に1割くらいのハト麦を入れ、さらに黒豆、小豆、大豆、アワ、キビ、ヒエなども、ときにより入れて炊くとより良質になります(ただし、ハト麦・豆類は圧力鍋でないと柔らかくふっくらと炊けません)。

(玄米による食療法)玄米食が苦手な人への応用編

1分づき米、胚芽米を利用する

精米の度合によって、玄米に近いほうから2分づき米、3分づき米、5分づき米、7分づき米... とあります。5分づき米、胚芽米でも、白米よりはミネラル、ビタミンを残していますので、食べやすいものからはじめて、徐々に玄米に近づけてみてください。

胚芽米に押麦(精米していないもの) や押ハト麦、雑穀( アワ、ヒエ、キビ) を1割くらいまぜて炊き、すりゴマのふりかけをかけてカルシウム不足を補います。

これらの粒の小さい穀類は、松の実、ゴマ、ハスの実、ギンナン、落花生、カボチャの種、カヤの実、ヒマワリの種、麻の実など食用になる種実類と同様に、分析では仙叫てこない生命力をもっています。

脂肪分は多いが悪玉コレステロールを除く作用があるので、動脈硬化や高血圧予防の働きもします。蛋白質も多い。

ただ、動物性蛋白質と違ってアルカリ性でミネラル分も多いので、血液を汚さない長所をもっています。デンプン質のエネルギー化に必要なビタミンBlも多い。また、生殖に欠かせないビタミンE が、非常に多いのです。

不妊症だった人が玄米食やゴマ、木の実を食べて赤ちゃんに恵まれるのも、このビタミンEの働きが大きいのです。

ほかにも、日本人に不足しているビタミンが多くあります。松の実やアーモンドなどは、糖害を防ぎ、虚弱者を元気づけ、老人や妊婦の便秘に良く、たばこの吸いすぎによる害を防ぐと言われています。

カボチャの種など捨てる人が多いのですが、妙って殻を割って中の仁を食べると、せき、利尿、産前産後のむくみに良く効き、血圧も下げてくれます。

グルタミン酸が多いので脳細胞に活力を与え、頭の働きを良くします。ただし、植物の実や種は、虚弱者に力を与える精力剤となるものですから、食べすぎないよう注意しましょう。

玄米餅、アワ餅、キビ餅、ヨモギ餅などを利用する。

玄米は炊きにくくても、お餅になると意外に抵抗なく、しかも手軽に利用できます。玄米餅米粉で自家製でつくるのが最高ですが、自然食品店にも売っています。

玄米粉をだんごにしたり、オートミールのようにして食べます。春にはヨモギの新芽を摘んで草だんごにすると、おいしい主食になります。
小さい、かわいいおにぎり。

梅干し、ノリ、ゴマ、ユカリ、青菜漬などを巻いてつくつたおにぎりは、玄米嫌いの人でもつい食べてしまいます。みそをつけてフライパンに油をひき、コンガリと焼いてもよく、焼いてゴマみそをつけてもおいしい。

炊いた玄米を温かいうちに五平餅のようにすり鉢で少しついて、ゴマみそをつけてもおいしい。子どもの健康的なおやつとしても最適です。

玄米による食療法) パンやウドンも無漂白の粉が体に良い

小麦粉を使ったパン、ウドン、スパゲッティなども、玄米のようにもみがらをとっただけの全粒粉、または果皮や胚芽の一部を残した完全粉など、なるべく無漂白の粉を使った色の黒いものを食べましょう。

麦類にはビタミンB1・B2のほか、玄米には少ないカルシウムも多く含まれています。また、グルタミン酸といって頭の働きを良くする成分も多く、これらは胚芽、果皮、種皮などに含まれています。

小麦はパンの原料として大切なものですが、ふウドン、ソーメン、麩、加工した植物性の肉、そのほかにスパゲッティ、マカロニ、グルテンミートなどもつくられます。

小麦は主として、薄力粉(軟質) を料理や菓子用に使います。強力粉(硬質) は蛋白質が薄力粉より多く、パン、マカロニなどに利用され、用途によって使い分けられます。ウドンは薄力粉またはその中間の中力粉を使います。小麦の蛋白質は主として、グリアジンとグルテリンで、これを一括してグルテンと言います。加水分解するとグルタミン酸となり、これが頭が良くなるもとと言われます(化学調味料のグルタミン酸とは違います。これは頭を悪くします)。

頭脳は、ほかの組織と比べてグルタミン酸の含有量が多く、その特別の熱量源として消耗されるものと言われ、また、脳や神経の機能に必要なアセチルコリンの生産にもあずかるからです。

マカロニやパンにはこのグルテン質の多い強力小麦粉が使われますが、精白度が高く真白なため、栄養価は期待できません。ですから、十分に副食を考え、ゴマ、緑黄色野菜、ニンジン、ゴボウなど、根の野菜をとりいれてビタミン、ミネラルを補うような献立にしないと、バランスをくずすことになります。

パンでも精白した真白なパンより、ライ麦の外の皮を粉にしたふすま入りの玄米粉( フォールフィト)、玄米、ソバ、胚芽などが混入されたもののほうが、健康的なパンなのです。せっかくの酵母パンをわざわざ真白い粉でつくつている人が多いようですが、ふすま入りの内容の良い黒パンをつくったほうが、健康的でこくがあっておいしいのです。

麦飯は大麦を精白したもの、ひき割麦、押麦などをまぜたご飯です。子どもの頃、母は菱ご飯が健康には良いと言って、大鍋でひき割麦を煮てたくさんまぜた菱ご飯やヒエご飯をつくりました。

あの大麦を煮るときの麦独特の香りは、今もなつかしく思い出されます。しかし、この頃は農家でさえ、漂白したウドンや粉で、麦のぬけがらみたいなものを食べて体調をくずす人も多いから困ったものです。

精白や漂白しない丸麦や押麦は、ビタミンB1、E の王様で、脚気予防だけでなく、健康維持や神経の働きを正常にし、脳の働きを助ける優秀食品なのです。大麦の蛋白質中で特色のあるものはホルデインで、そのほかアルブミン、グロブリンなどを含み、これも小麦と同様にグルタミン酸を多くもっていますから、脳のためにも良い食べものとなるわけです。

また、繊維やフィチン酸も含むため、便通にも有効で、運動不足の人の消化も助け、高血圧を予防します。

細胞にも活力を与えます。大麦は白米に比べて消化が早いと言えます。白米50gの消化には1時間半かかりますが、麦飯は同時間に100gも消化されます。

蛋白質も脂肪もすぐれており、胚芽にビタミンEが多くて、若返りに良い、などと言う売り文句で胚芽抽などが高く売られていたりしますが、小麦や大麦そのものを食べると、これらのほかに分析に出てこない未知成分もたくさん含まれるので、バランス良く無理なく消化吸収されて、体の栄養となってくれます。ここにも見えない自然の力があります。

いのち満ちる食べものの尊さを知って、大切にいただきたいものです。ソバは、高冷の山地の荒地でもできるほど、生命力の強い植物です。しかも、こうした土地に育つものほど細胞がしまっておいしく、栄養成分も豊かで健康的です。この雑草性のたくましさが、食べる人の生命力となってくれます。できるだけ色の黒いものを選ぶようにしましょう。

ソバは優秀な蛋白質と、豊富なビタミン巧また動脈硬化を防ぐルチンを含み、血液をきれいにし、細胞に活力を与える健康的な食品です。ですから、真白いウドンよりソバのほうがどんなに良いかわかりません。

ときどき、ソバ粉でソバがきやお好み焼きなどつくっていただくことは、大変良いことです。ソバがきが、いちばん有効成分を失わない食べかたで、しかもソバの風味が生きた野趣豊かな味です。これは熱湯でかきまぜるより、とろ火の熱湯の中にソバ粉を少しずつ箸でかきまぜながら入れ、適当なかたさになるまでかきまぜながら落とし、最後に竹べらでよくこね、とろ火で少し蒸すようにしてよくこねていただくとおいしいのです。

ネギ、シソ、切ゴマ、クルミ、ノリなどの薬味に、コンプ、カツオぶしのだしのおいしいソバだれをかけていただく昧は格別で、病人などにはすばらしい力となります。

玄米による食療法 薬用にもなる玄米の応用食

玄米重湯
玄米を洗ってかわかし、これをきつね色に妙ります。米1合に水1升の割合で探めの土鍋でとろ火で炊き、3合ほどの重湯をとります。胃ガンや胃潰瘍の人、そのほか流動食の病人には、起死回生の思いがするくらい貴重なものです。離乳期の赤ちゃんに与える重湯もこのくらいの渡さでないと、体を養う力にはなりません。これは理想的な重湯です。
玄米重曹
玄米スープ
玄米を洗ってかわかし、きつね色に妙り、米1合に対して7合の水を入れおかゆに
炊きます。妙ると消化吸収が良いので、病人には妙ってからおかゆに炊くことが大切
です。妙ってあるのですぐ柔らかくなります。これを木べらで裏ごししたものが玄米スープです。弱って食欲のない病人、熱のあるとき、吐気のときにはいちばん良い食べものです。離乳食にも最適です。うすい塩味でいただきます。
玄米スープ
玄米クリーム
妙り玄米粉をノリを煮るようにして煮たおかゆのようなもの。離乳食としておかゆのかわりにあげると丈夫に育ちます。渡さは病状によって適宜にします。うすい塩味でいただきます。
玄米クリーム
玄米がゆ
妙り玄米に3倍の水を入れて沸とうしたら、とろ火にしてゆつくりと柔らかいご飯を炊きます。これにうすい塩味をしていただきます。歯の悪い病人でもこれならいただけます。豆乳をかけて食べても良い。離乳食にするのなら、とろとろに煮ると良いでしょう。玄米ポンセンベイをとろとろに煮ると、玄米より早く柔らかくなるので、急ぐときは助かります。歯が悪くて玄米を食べられないという人でもこれなら食べられます。
妙り玄米の小豆がゆ
玄米を洗ってかわかしてから、空妙りして6倍の水でおかゆに炊きます。このとき、小豆のかたゆでを入れて炊くとおいしくできます。腎臓や肝臓、そのほかの慢性病の人に大変効果的です。玄米がもたれるようなとき、食欲がないときなど、ときどきつくつて食べると良い。また、熱のある病人にも大変良く、うすい塩味か、または食べるときにゴマのふりかけ(妙ってすりつぶし、うすい塩味にしたもの) をかけるか、梅干しをそえると良いでしょう。
炒り玄米粥
黒炒り玄米
黒妙り玄米は、2~3時間かけて弱火でゆっくり真黒に妙ると、石のようにかたくなて噛むのにも骨が折れるほどになります。これを煎じてコーヒーのようにして飲むと、弱った体に活力を与え、細胞が働き出し、何も食べられなかった病人が食べられるようになります。それほどすばらしい力があるのです。
結核の人や、尿が出ず浮腫で苦しむ人が、黒妙り玄米の煎じ汁で危機を脱したことがあります。この頃は、この黒妙り玄米を粉にして売っていますが、これも病人や健康を保つための助けになります。
公害を流し、便通、利尿の通りを良くして老廃物を体の外に出します。この黒妙り玄米粉を茶さじ1杯入れて熱湯をさして飲むと、コーヒーのブラックのようでおいしくいただけます。甘くないとだめという人は、純粋なはちみつを少しだけ加えて甘味をつけると、おいしい飲みものになります。これを朝、晩一杯ずつ飲んでいると、体調を整えてくれます。
ただし、良いからといって飲みすぎないことです。本当に重い病人や、頑固で慢性の重い痛なら、黒妙り玄米そのものを煎じて飲んだほうが良いのですが、気長に続けるためには、黒妙り玄米粉の利用も良いと思います。
水分のとりすぎ、食べすぎなどで疲れがとれない、便通が悪いなどのときは、粉のまま大スプーン1杯くらい食べても良いでしょう。
黒炒り玄米
玄米餅
玄米餅、アワ餅、キビ餅などは最高です。毎日焼いてみそ汁にひとつずつ入れて食べても良く、主食にしても良い。血液を浄化し、毒素を流すので、虚弱者や慢性病者の薬になります。神経痛の人はゴマ抽でから揚げしてから仕立てるか、つけ焼きにします。つけ焼きは、せき、寝小便を治す特効があります。
玄米の餅米5カップ(自然農法で化学肥料、農薬など使用しないものが良い) に対して水4カップで約2時間ふやかし、これをそのまま圧力鍋で炊くと、少しかためのご飯ができます。
これを普通のお餅のようにつくわけです。少しばかりつくならこの方法でよく、すり鉢とすりこぎで手軽にできます。最初はすりばちを熱湯でよく温め、このご飯をとり、すりこぎをきねにしてつきます。このとき、量が少ないとすぐさめますから、すりこぎをぬらす水は湯にします。
また、さめないようにすりばちを温かくしてつくと、ぶつぶつのないおいしいお餅ができます。電気餅つき器がありますが、これだと電熱で成分がこわされることがありますので、病人のためには手でつくのがいちばんです。
米を水につけないで玄米餅をつくる方法は、まず、一度粉ひき器のようなもので租く粉にします。これに湯を注いでしっとりとさせ、かろうじて丸められるくらいにしめらせます。上新粉(米の粉)で餅をつくるときの要領です。
30分くらいして米が十分に水を吸った頃、丸めてせいろに入れて蒸します。そして同様につきます。このとき入れる湯の量が多いと、腰のないお餅になつておいしくありません。米と同量の湯です。新米なら米より少なめに入れます。
大量につくときは3日ほど餅米を水につけておきます。暖かい地方だと臭くなりますから、毎日水をかえます。とはいえ、ビタミンが流れてしまうので、水をかえないつきかたのほうが健康のためにはいいと言えます。
これをせいろで蒸して、臼でつきます。つきかたも白米餅の2倍くらいつかないとなめらかにならないので、よくつきこみます。もたもたしているとさめてしまいますから手早くします。
玄米の餅米が手に入らないときは、白米の餅米に玄米胚芽または小麦胚芽を1升に2合くらいまぜて、しめり気を適当につけ、普通の餅米のようにつきます。これで、白米餅だけに比べてずっと内容は良いものになり、消化も良くなります。
玄米餅は白米餅のように重くなく、お腹にもたれないで栄養になるので、虚弱者や長わずらいの病人、慢性病患者にはなくてはならない大事なものです。弱い人は夏をのぞいて毎日一個ずつ食べていると丈夫になり、粘り強いがんばりのきく人になれます。自然食品店にもあります。
玄米餅
玄米草餅
ヨモギを塩ゆでにします。このとき、重曹を入れるとヨモギのビタミンが破壊されるので、入れないようにします。これを水でサッとさましてかたく絞り、まな板の上でたたき切りにして、細かくベタベタにつぶします。これを玄米餅ができ上がった最後に入れて、なおよくついてまぜこみます。
少しばかりでは真青な美しい草餅にはなりません。1升の餅米には買いものかごに1杯のヨモギが必要です。これは虫くだし、便秘、貧血、冷え症、胃腸、肝臓、腎臓、神経痛、ノイローゼ、虚弱者、妊産婦の栄養、母乳をよく出すことや、慢性病、ガンなど玄米餅同様に使います。健康な人でもこれを食べると体が軽く、仕事の能率が大変良くなります。
玄米草餅

玄米菜食は現代人に不足しがちなビタミンB群がしっかり摂れる

玄米はどんな体質の人が、どの季節に食べても、体質改善の効果を確実に現します。慢性病や病的症状は、体質の偏りによって生まれるので、どんな障害も生命力に満ちあふれた玄米を食べることで快方に向かうのは必然で、公害も流してくれます。

玄米がどれほどすばらしい力をもっているかは、白米と比較してみればわかることです。玄米と白米を成分的に比較した結果はこちらです。玄米の果皮と種皮は、脂肪、蛋白質、セルローズ(繊維素) などの大切な成分を含有しています。とくにセルローズは、それ自体では消化しにくい成分ですが、ほかの食物の消化吸収を助け、腸の働きを促進し、便秘を解消します。しかも、セルローズの一部は腸内細菌の作用を受け、ビタミンA・B1・B2・B6などに生合成されるという大きな効果があり、整腸作用を助け、病気を予防します。

とくにガンの予防、治療に大きな役割をはたします。また、糊粉層と胚芽には脂肪、蛋白質、ビタミン類、ミネラル、カリウム、マグネシウムなどが含まれています。とくに胚芽は、米の生命が宿っている最も重要な部分で、ビタミンA ・B1・B2・B6、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビタミンE などを含む天然の栄養素の宝庫です。

これにひきかえ白米は、大切な果皮も種皮も糊粉層も胚芽も除かれてしまい、ただカロリーがあるだけの胚乳がその主成分となっています。胚乳はほとんどデンプンですが、ミネラルもビタミンももっていませんから、燃焼した後、消化分解しない部分が残り、焦性ブドウ酸や乳酸という中間代謝産物を出します。

これらはこのままでは体に害を与える物質で、血液を酸性化し、いろいろな障害をおこします。ところがこれらの焦性ブドウ酸や乳酸は、玄米の果皮、種皮、糊粉層、胚芽などに含まれるいろいろな成分の作用を受けると、水と二酸化炭素にかえられてしまいます。玄米が健康的な食品で、白米とは本質的に違うというひとつの理由がここにあるわけです。

玄米を主食としてきた日本人ですが、最近の人は、玄米には農薬が白米より多く、ことに脂肪分は外皮に多いので危険だという懸念が多少なりともあります。

しかし、それは論理上のことであって、実際に食べてみての結果ではないのです。消化分解して力となる体の生理はどうかというと、白米より玄米のほうが公害物質を体の外に排出する率ははるかに高いのです。

玄米食を研究して、50年くらい玄米を食べておられる沼田勇医学博士は、玄米の場合フィチン酸やイノシトールという成分によって排泄作用が盛んなので、農薬のほとんどは体の外に排泄される。

白米は、そのほとんどが出されないで体内に残るから、危険度からいえば、外皮をとった無防備の白米のほうが危険だ、と結論づけています。

広島で原爆を受けた患者で、とても治らないと言われた方が、玄米菜食を忠実に実行され、見事に完治されました。もっとも、本当に大丈夫と自信がついたのは、5年後でした。

こんな方を私はまだほかに数人知っています。また、長崎で被爆した方で、玄米食をしていたのでその害を受けずに無事だった例もあります。

玄米の中には分析には出てこない生命のもととなる成分がたくさんあり、それを未知成分と言っています。これはひとつの例ですが、分析に出てくる栄養素の中で、最近とくに注目されだしたのがフィチン酸です。100 g中の玄米には240 mgのフィチン酸が含まれていますが、白米には四40 mgしかありません。フィチン酸は放射能物質、水銀、鉛などの重金属ともよく結合する性質があります。

フィチン酸はビタミンB群の中のひとつであるイノシトールと6個のリン酸が結合したもので、公害物質と結合して体の外に出す働きをします。

つまり、玄米菜食型の人ほど、これらの有害物質をほとんど吸収することなく排出しているのです。ところが、酸性で有効成分をぬきとった白米や肉、白砂糖、人工甘味その他、食品添加物入り食品を中心とした生活をしている人の血は酸化され汚れていますから、有害物質を排泄できず体内に残してしまいます。

それでも「好きなものを食べて自由に暮したほうが良い」と言う人は多いものです。しかし、それで頑固な便秘に悩み、年齢が進むとともに脳卒中、半身不随、心臓病で苦しむことになってしまいます。

こうした人々の大半は快便ではないのです。白米に肉や魚をたっぷり、卵、チーズ、ハム、そしておやつは白砂糖や人工甘味料をたっぷり使った和洋菓子などを好んで食べています。これでは快便に恵まれないはずです。

玄米には外の皮が残っているので繊維が多く、腸の働きを助け、腸内に宿便がたまるのを防ぎ、浄化作用があります。それに玄米を主食にすると、白米とは比較にならないほど安く上がって、しかも健康になっていきます。

玄米の中に含まれる成分の働きで代表的なものは、まずガンマオリザールです。これは、脳神経をよく働かせる、胞に活力をつける、内臓機能の働きを強める、毒物などを出すです。

次にイノシトールです。これは肝機能の強化、毒物、老廃物を排出する働きがあります。

次にフィチン酸です。これは、農薬や公害物質の無機の化学物質を結合して体に吸収させないで、体外へ毒物を出してくれます。

白米だとビタミン、ミネラル、蛋白質、脂肪などが不足します。それを補給するのは肉、卵、魚、ハム、くだもの。どうしてもお金のかかる副食を多くとることになります。お金をかけて健康で医者いらずならいいのですが、現実はその反対で、文明病があまりにも多いのです。お金をかけて体を弱くしているなど「愚の骨頂」というべきです。

それに輪をかけて、栄養が足りないと大変と不安ばかりが残り、体内に入れることを考え、ためこみがちです。枝葉を追い根を忘れると浮き草となり、それでは心は安まりません。大切なのは心の安らぎですが、この安らぎを失ったら、血液はにごり、神経を疲れやすくして、不健康のもとをつくっていくことになるのです。

玄米と白米の栄養成分の比較表です。

成分
玄米
白米
たんぱく質
7.4 g
6.8 g
脂肪
3.0 g
1.3 g
炭水化物
71.8 g
75.5 g
灰分
1.3 g
0.6 g
カルシウム
10 mg
6 mg
リン
300 mg
140 mg
1.1 mg
0.5 mg
ビタミンB1
0.54 mg
0.12 mg
ビタミンB2
0.6 mg
0.03 mg
ナイアシン
4.5 mg
1.4 mg
ビタミンE
10 mg
1.0 mg
カロリー
351 kcal
351 kcal