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玄米を主食としてきた日本人ですが、最近の人は、玄米には農薬が白米より多く、ことに脂肪分は外皮に多いので危険だという懸念が多少なりともあります。

しかし、それは論理上のことであって、実際に食べてみての結果ではないのです。消化分解して力となる体の生理はどうかというと、白米より玄米のほうが公害物質を体の外に排出する率ははるかに高いのです。

玄米食を研究して、50年くらい玄米を食べておられる沼田勇医学博士は、玄米の場合フィチン酸やイノシトールという成分によって排泄作用が盛んなので、農薬のほとんどは体の外に排泄される。

白米は、そのほとんどが出されないで体内に残るから、危険度からいえば、外皮をとった無防備の白米のほうが危険だ、と結論づけています。

広島で原爆を受けた患者で、とても治らないと言われた方が、玄米菜食を忠実に実行され、見事に完治されました。もっとも、本当に大丈夫と自信がついたのは、5年後でした。

こんな方を私はまだほかに数人知っています。また、長崎で被爆した方で、玄米食をしていたのでその害を受けずに無事だった例もあります。

玄米の中には分析には出てこない生命のもととなる成分がたくさんあり、それを未知成分と言っています。これはひとつの例ですが、分析に出てくる栄養素の中で、最近とくに注目されだしたのがフィチン酸です。100 g中の玄米には240 mgのフィチン酸が含まれていますが、白米には四40 mgしかありません。フィチン酸は放射能物質、水銀、鉛などの重金属ともよく結合する性質があります。

フィチン酸はビタミンB群の中のひとつであるイノシトールと6個のリン酸が結合したもので、公害物質と結合して体の外に出す働きをします。

つまり、玄米菜食型の人ほど、これらの有害物質をほとんど吸収することなく排出しているのです。ところが、酸性で有効成分をぬきとった白米や肉、白砂糖、人工甘味その他、食品添加物入り食品を中心とした生活をしている人の血は酸化され汚れていますから、有害物質を排泄できず体内に残してしまいます。

それでも「好きなものを食べて自由に暮したほうが良い」と言う人は多いものです。しかし、それで頑固な便秘に悩み、年齢が進むとともに脳卒中、半身不随、心臓病で苦しむことになってしまいます。

こうした人々の大半は快便ではないのです。白米に肉や魚をたっぷり、卵、チーズ、ハム、そしておやつは白砂糖や人工甘味料をたっぷり使った和洋菓子などを好んで食べています。これでは快便に恵まれないはずです。

玄米には外の皮が残っているので繊維が多く、腸の働きを助け、腸内に宿便がたまるのを防ぎ、浄化作用があります。それに玄米を主食にすると、白米とは比較にならないほど安く上がって、しかも健康になっていきます。

玄米の中に含まれる成分の働きで代表的なものは、まずガンマオリザールです。これは、脳神経をよく働かせる、胞に活力をつける、内臓機能の働きを強める、毒物などを出すです。

次にイノシトールです。これは肝機能の強化、毒物、老廃物を排出する働きがあります。

次にフィチン酸です。これは、農薬や公害物質の無機の化学物質を結合して体に吸収させないで、体外へ毒物を出してくれます。

白米だとビタミン、ミネラル、蛋白質、脂肪などが不足します。それを補給するのは肉、卵、魚、ハム、くだもの。どうしてもお金のかかる副食を多くとることになります。お金をかけて健康で医者いらずならいいのですが、現実はその反対で、文明病があまりにも多いのです。お金をかけて体を弱くしているなど「愚の骨頂」というべきです。

それに輪をかけて、栄養が足りないと大変と不安ばかりが残り、体内に入れることを考え、ためこみがちです。枝葉を追い根を忘れると浮き草となり、それでは心は安まりません。大切なのは心の安らぎですが、この安らぎを失ったら、血液はにごり、神経を疲れやすくして、不健康のもとをつくっていくことになるのです。

玄米と白米の栄養成分の比較表です。

成分
玄米
白米
たんぱく質
7.4 g
6.8 g
脂肪
3.0 g
1.3 g
炭水化物
71.8 g
75.5 g
灰分
1.3 g
0.6 g
カルシウム
10 mg
6 mg
リン
300 mg
140 mg
1.1 mg
0.5 mg
ビタミンB1
0.54 mg
0.12 mg
ビタミンB2
0.6 mg
0.03 mg
ナイアシン
4.5 mg
1.4 mg
ビタミンE
10 mg
1.0 mg
カロリー
351 kcal
351 kcal