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脚気は「ミトコンドリアエ場」のトラブル

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脚気は、江戸時代中期、都市部で白米が普及したことで蔓延した病気です。脚気にかかると、倦怠感や食欲不振、むくみ、下肢のしびれなどが起こり、「ブラブラ病」と呼ばれるほど、気力・体力が奪われ、仕事もままならなくなりました。

最悪の場合、生命を落とすこともありました。その後の研究によって、精米することでビタミンB1が豊富に含まれる糠や胚芽が取り除かれてしまうことに原因があるとわかってきましたが、なぜ脚気とビタミンB1欠乏が関係してくるのか?

カギを握るのは、細胞内のエネルギー製造工場、ミトコンドリアです。コメの主成分である糖だけ補給しても、ミトコンドリアの工場は稼働しません。

糖が取り除かれることでビタミンB1が不足していれば、エネルギーが十分に生産できず、細胞の代謝が滞ってしまいます。

「倦怠感」や「食欲不振」といった脚気のもろもろの症状がエネルギーの不足した結果と考えれば、決して不思議ではありません。要は、生活が豊かになり、食べやすい白米が広まったことで江戸庶民はビタミンB1の慢性欠乏に陥り、ミトコンドリアで十分なエネルギー代謝ができなくなったのです。

とはいえ、ビタミンB1は豚肉やうなぎにも豊富に含まれます。実際、戦後に肉食が普及してからは、脚気が社会問題になることは、ほぼなくなりました。近年の若者の無気力を一種の脚気症状ととらえ、慢性的なビタミンB1欠乏が原因だとする意見もありますが、いずれにしても「玄米を食べれば改善できる」という言い方は成り立ちません。

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