食事療法と薬物療法が治療の中心になる
糖尿病を合併症などの進行別に6段階に分類します。糖尿病は進行度合いで注意することが異なるを見て、自分の糖尿病がどこの段階になるかをしっかり把握してください。
ステージ3以上の糖尿病の患者さんが合併症を防ぐには、体内の悪玉物質「AGE」をいかに撃退するかが最も重要なポイントとなります。
抗AGE治療の実施に当たり、まずは体内のAGE値を測定します。体内のAGE値は血液と皮膚で測れます。血液から測る場合は、ふつうの採血を行ったあと、専門の検査機問に血液を送るだけでよく、結果が出るまで1~2週間ほどかかります。それに対し、皮膚のAGE値は専用の測定器さえあれば1~2分で可能です。
実際の測定では、まず皮膚のAGE値を測り、必要があると判断された場合は、血液検査も行うのが一般的です。
また、尿にもれ出たたんばく質の量を示す尿アルブミン値と、腎臓の機能を示す血清クレアチニン値も同時に測定し、腎症の発症の有無や、進行度を確認します。また、当然ながら、血糖値の確認も行います。
なお、尿アルブミン値と血清クレアチニン値、血糖値の測定検査には健康保険が適用されますが、AGE値の測定検査は適用外となります。
検査の結果、AGE値が高いとわかった人では、抗AGE治療を開始します。抗AGE治療で主に行うのは、食事指導と薬の処方の2つです。
食事指導では、焼き料理や揚げ料理などAGEが多い食事を控えてもらうとともに、緑茶を多飲してもらい、ビタミンB群が多い大豆食品や、抗酸化成分が補える緑黄色野菜を食事でたくさん食べてもらいます。
これに併せて、患者さんの状態によって必要と判断した場合には、健康保険が適用になるビタミンB1、B2、の薬を処方します。
腎症の合併症がでても抗AGE食で回復するケースもある
症例1. 70歳男性
、20十数年にわたり糖尿病です。病院では血糖降下薬などの投薬治療を受け、ウォーキングなどの運動や、カロリーを抑えた従来の糖尿病食のおかげで、ヘモグロビンA1Cは5.8%~6.8%の間でコントロールできていました。
しかし、一昨年7月ころ、体のだるさやまぶたのはれが現れて不安になり、そのころ知った抗AGE食について興味を持たれました。
そのときの尿アルブミン値は461と非常に高く合併症である腎臓の病気を発症しているのは一目瞭然でした。また、血中AGE値も0.059と高い値を示していました。
長年の糖尿病でAGEが少しずつ体内に蓄積していつたため、現在の血糖値がある程度安定しているにもかかわらず、腎症を発症したのだと考えられます。
AGEについての詳細之説明をし、ふだんの食事では、高温加熱した料理をさけて、緑茶や大豆食品などカテキンやビタミンB群が多い食品を積榛的にとるよう指導。
1日に緑茶を5~6杯飲むのを習慣にし、大豆食品やニンニク、マグロの刺身、生野菜を積極的に食べたそうです。また、ビタミンB群を含んだサプリメント(栄養補助食品)も毎日とりました。
すると、2ヶ月後には血中AGE値は見事に基準値内に収まりました。尿アルブミン値も低下し、改善しました。
尿アルブミン値は、調子がいいときなら150を示します。もちろん、血中AGE値は正常で安定しています。
加工食品、清涼飲料水、焼く・揚げる調理法など、AGEを大量に含む食品チェック