世界の三大珍味と言われてすぐに答えをいえる人はお金持ちか食通ということになるだろうか?、そうではなくとも、キャビアと聞けば大方の人は、「あっ、あの黒くてしょっぱいやつ」と、思い浮かべるに違いない。キャビアはフォアグラ、トリュフとともに世界三大珍味に数えられており、皇帝の魚と呼ばれるチョウザメの卵を塩漬けにしたものをいう。
産地はロシア産とイラン産の2種類が有名だが、最近は漁獲量が減少傾向にあり、ますます庶民には高嶺の食材になっている。ところが、ごく普通のレストランでも、1000円台ランチの前菜としてキャビアが出されている。思わず「本当にキャビアなのか?」と疑ってしまうが、悲しいかなはとんど食べたことがないのだから本物かどうか分からない。でも、恐らく二セモノなのだろう。というのは、「コピーキャビア」が、外食産業向けに」大量に出回っている。「コピーキャビア」の原料になるのはほうぼう(ランプフィッシュ)トビオウ、それにタラやニシンの卵。チョウザメの卵と同じように塩漬けにし、その後、黒、く着色されて市場に出回っている。価格は20倍近くひらきがある。
本物が100グラムで9400円だとすると、コピーキャビアは500円程度。コピーキャビアにはもうひとつ別の作り方がある。魚卵を使わずに、ウニやカキなどの魚介類エキスを海藻成分で包み込み、着色にイカ墨、粘り気や安定化のために食品添加物のアルギン酸ナトリウム、ペクチンといった糊料を添加して出来上がり。
原材料表示では「増粘多糖類」ということで粘り気や安定度をます添加物は表示されている。キャビアのコピーが出回っているのは日本だけではない。ヨーロッパではタンゴウオやボラ、シシャモなどの卵を使ったものが多かったが、ここにきて日本同様、トビウオの卵を使ったコピーキャビアが急速に普及している。スペインなどでは特産品にもなっている。