植物のタネには「生命」がいっぱい

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一物全体食とは、いまでいう「ホールフード」のことです。これは一般的な栄養学のとらえ方とは、かなり異なっています。

栄養学では食べ物に含まれる成分のひとつひとつを分析することでその働きを調べていきますが、そうやってバラバラにした成分をつなぎあわせても「生命」が生まれるわけではありません。

食べ物を「栄養素の集合体」ではなく・1つの「生命」としてとらえる。ホールフードの原点もここにあります。成分を分析するだけではとらえきれない生命のありようを前提にした場合、むしろホールフードの発想のほうが当たり前かもしれません。

つまり、食養の世界で白米よりも玄米がすすめられたのも、精製していない玄米のほうが栄養価が高いからではありません。栄養価だけを問題にするならば、ほかの食材で足りない栄養素を補えばすむことですが、そうやってバランスを取っても部分が全体になるわけではない。

つまり、ほかの食材でも補いきれない何かがある。その補いきれないものが、生命なのです。コメは植物のタネであり、そこには当然、生命が宿っています。土に埋めて水をまけば発芽する以上、生命は内包されているでしょう。

これが、「コメから生命をいただく」というホールフードの発想、ひいては玄米を食べることの意味につながってくるのです。

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